ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2019年6月度調査結果では、外食市場規模が前年同月を下回った。ただし、市場規模の大きさ自体は過去2番目の大きさを記録した。
6月の外食市場規模は前年同月比−95億円
2019年6月の外食市場規模は、3圏域合計で3339億円。前年同月比(以下、前年比)は−95億円で3カ月ぶりに前年を下回った。ただ、6月としては2013年の調査開始以来、過去2番目に大きな市場規模を記録した。
外食実施率と単価が前年割れし、外食頻度は前年比プラスであった。外食単価は、6月としては過去2番目に高かったが、前年比では3圏域そろってマイナスとなった。
6月は前年に比べて土日の合計日数が1日多かったが、ゴールデンウィークが10連休で消費が好調だったことの反動で、節約志向が強まった可能性もありそうだ。とくに前月好調だった60代シニア層では、外食単価の前年比マイナス幅が大きく(男性・前年比−297円、女性・前年比−311円)、令和お祝いムードで外食市場が伸びた5月度とは真逆の動きとなった。
2019年6月の外食実施率は75.8%
前月比増減−0.7pt、前年比増減−0.4pt。
2019年6月の外食頻度は4.18回/月
前月比増減−0.03回、前年比増減+0.05回。
2019年6月の外食単価は2,567円
前月比増減+123円、前年比増減−66円。
2019年6月の外食市場規模は3339億円
前月比増減+101億円、前年比増減−95億円。
肉系と鉄板系が強く、和食など振るわず
業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは4業態のみ。「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減+15億円)、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」(同+14億円)、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(同+7億円)等で前年を上回った。
逆に「和食料理店」(前年比増減−28億円)、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」前年比増減−25億円)等では、市場規模が大きく前年を下回った。「和食料理店」では、シニア層の利用が多いため、60代の不振が直撃した形となっている。
延べ外食回数でもっとも伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+59万回、また、単価が最も伸びたのは「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」で前年比+209円だった。
連続して年市場規模を上回っている業態は「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が13カ月連続。「アジアン料理店」「カラオケボックス」は4カ月連続で前年実績を下回っている。
前年比プラス業態
「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。