初の世界食品安全デー終わる

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.12(2019.06.12)を発表した。

注目記事

【特集】世界食品安全デー(World Food Safety Day)

2018年12月の国連総会において、毎年6月7日を「世界食品安全デー」(World Food Safety Day)とすることが決議され、今年初めてその日を迎えました。食品安全なくして食糧安全保障はない、食品安全はヒトの健康や栄養に直接的に影響を与えるという考えのもと、世界中の全ての人達が食品安全のことを考え、学び、実行するための機会とする日です。

2019年は、食品安全は全ての人の仕事であると気づき認めて貰うことを目的に「食品安全はみんなの仕事(Food safety, everyone’s business)」をテーマとして掲げています。

世界各国で初の世界食品安全デーを記念したイベントの開催やウェブサイトの開設が行われているので、今週号では

【特集】として最初にまとめてご紹介しました。各国で食品安全に関連して取り組むべき課題を挙げて、さまざまにやり方や見せ方を工夫しているので面白いです。

【FDA】ビンポセチンを含むダイエタリーサプリメントの安全性リスクについて妊娠可能年齢の女性への警告に関する声明

米国食品医薬品局(FDA)は、ダイエタリーサプリメント中のビンポセチン(vinpocetine)という成分の安全性に関して、特に妊娠可能年齢の女性による使用についての懸念を消費者に警告している。

米国国家毒性プログラム(NTP)の最新報告を含め、FDAがレビューしたデータによると、ビンポセチンの摂取は有害な生殖影響に関連がある。つまり、ビンポセチンは流産あるいは胎児の発達に有害になる可能性がある。

ビンポセチンはダイエタリーサプリメントとして販売される製品に使用される合成物質である。製品ラベルには、Vinca minor extract(ヒメツルニチニチソウ抽出物)、lesser periwinkle extract又はcommon periwinkle extract(ペリウィンクル抽出物)と書いてあるだろう。これらのダイエタリーサプリメントは、記憶力向上、集中力向上、知能維持、エネルギー増大、減量などを目的に販売されている。

※ポイント:FDAは以前からビンポセチンを含む製品を問題視していたようで、2016年に合法性を評価する手続きを開始しており、今回のNTPの報告を機に手続きの完了を急ぐと言っています。米国の制度では対象のダイエタリーサプリメントが有害であることをFDA側が科学的根拠をもとに証明できなければ法的措置を行えないので、警告を出すまでも時間がかかったのではないかと推測します。

一方EUでは、フードサプリメントに含まれるビンポセチンは未承認物質に該当するとして、これまでRASFFには警告も含めて複数通知されています。

【CFIA】カナダ政府は「カナダ産」(Product of Canada)および「カナダ製」(Made in Canada)表示の変更についてカナダ人の意見を求める

カナダ食品検査庁(CFIA)は、消費者が情報を十分に得られた上で購入する食品を選択出来るようにするための取り組みとして、「カナダ産」と「カナダ製」の表示ガイドラインを見直し、パブリックコメント募集を開始した。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.12(2019.06.12)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201912c.pdf

今号の目次

【特集】
世界食品安全デー(World Food Safety day)2019年6月7日

【FAO】
1. プラスチックへの依存を減らす5つの方法
2. Codex

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. EFSAの運営理事会の一部更新-志願者募集
2. モンテカルロWEBアプリの拡大と専門知識の引き出しWEBアプリ
3. テルブチラジンの代謝物質の健康影響に基づく参照値設定に関する科学的意見
4. 全ゲノム配列決定(WGS)はAMRとの戦いで有望である
5. 飼料添加物関連

【FSS】
1. FSSは肥満問題に取り組むため意欲的な措置を要請する

【NHS】
1.「超加工」食品は早期の死亡を引き起こすか?

【ASA】
1. 子ども向けオンラインメディアでのHFSS食品の広告禁止

【BfR】
1. タンポンにグリホサート?健康に意味のある残留があるという兆候はない
2. 化学物質の登録申請書の質を上げるためのBfRの研究プロジェクト

【RIVM】
1. ブチルパラベンのレビュー:暴露、毒性、リスク評価:特に内分泌攪乱性と累積リスク評価について
2. 循環デザインに安全性と持続可能性を強調

【FDA】
1. 食品安全に関連する新興化学についてのFDA-ACS会議
2. 包装済み食品の日付表示による混乱
3. 企業向けガイダンス案:ヒト食用農産物の栽培、収穫、包装、保有基準についての代用カリキュラムの評価
4. ビンポセチンを含むダイエタリーサプリメントの安全性リスクについて妊娠可能年齢の女性への警告に関する声明
5. FDAは消費者にBobbie Baby社の乳児用ミルクを使うのを止めるよう助言
6. Mary Lou Valdez氏による2019北米国食品安全及び品質会議に対する発言
7. 警告文書

【NTP】
1. 出生前発達毒性研究についてのNTPテクニカルレポート案;文書公開;意見募集;ピアレビュー会議の告知

【EPA】
1. ある農薬の登録についての製品取消要請

【CDC】
1. フィールドからの報告:ベニテングタケ(の仲間の)キノコを食べたことによる急性中毒-ミネソタ、2018

【DHHS】
1. ジャンバラヤの政策方針書改定を求めたZatarain による要請へのFSISの最終対応

【USDA】
1. ワシントン州での遺伝子組換え(GE)小麦検出についてのUSDAの調査
2. 8周年を祝い、シンプルにマイプレートではじめよう

【CFIA】
1. カナダ政府は「カナダ産(Product of Canada)」「カナダ製(Made in Canada)」表示の変更についてカナダ人の意見を求める

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【TGA】
1. TGAはサザランド・シャイア、ニューサウスウェールズ州の捜索令状のSARMs及びNootropicsを押収する
2. 亜硝酸アルキル「ポッパーズ」の検査

【香港政府ニュース】
1. 台湾政府より‐米国のブルーボトルコーヒー豆缶各種の回収措置。開封時、缶の蓋が急にはずれ、缶からはじき出される豆でけがをする可能性があるため
2. 包装済みベジタリアン豆ロールのサンプルに未認可の保存料が検出された
3. 違反報告

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 貝類毒素発生及び検査の現状(5.22)
3. 現地調査を妨害・忌避する海外作業場の輸入停止
4. 食品原料認定手順を詳しくお知らせします!
5. 食品医薬品安全処、SNSマーケットの人気販売食品の集中収去・検査
6. 高速道路休憩所では低塩メニューにして健康に気を付けてください

【HSA】
1. HSA警告:表示されない成分が検出された4製品;消費者が命に関わる深刻な心不全になった

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・EurekAlert 6記事