小規模飼育家禽のサルモネラ

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.13(2016.06.22)を発表した。

注目記事

【米国疾病予防管理センター】最近のエリザベトキンギア・アノフェリスについて

 2016年1月以降、米国疾病予防管理センター(US CDC)は米国中西部で発生している2件のエリザベトキンギア・アノフェリス(Elizabethkingia anophelis)感染アウトブレイクの調査を支援している。

 エリザベトキンギア属菌は環境中に広く存在するが、ヒトの感染症の原因となることはまれである。CDCは、患者由来の臨床検体、および医療用品、水源、環境など可能性があるさまざまな感染源由来の検体の検査を支援しているが、感染源はまだ特定されていない。CDCは患者が発生した州の保健当局と協力し、本アウトブレイクの感染源の特定および本感染症の予防策の検討を続けていく。

【米国疾病予防管理センター】小規模飼育の家禽類のサルモネラ

 米国疾病予防管理センター(US CDC)は、複数州の公衆衛生・動物衛生・農務当局および米国農務省動植物衛生検査局(USDA APHIS)と協力し、複数州にわたり発生している7件のサルモネラ感染アウトブレイクを調査している。調査の結果、小規模飼育の生きた家禽類との接触がこれらのアウトブレイクの感染源である可能性が高いことが示された。

 生きた家禽類(ヒヨコ、ニワトリ、アヒル、アヒルのヒナなど)およびその飼育環境と接触すると、サルモネラに感染する可能性がある。購入先にかかわらず、生きた家禽類は健康で清潔に見える場合でも排泄物や体(羽、脚、くちばしなど)にサルモネラ菌が付着している可能性がある。

 サルモネラ菌は、家禽類の飼育環境中のケージ、鳥小屋、干し草、植物、土壌などにも付着している可能性がある。とくに小児は、家禽をつかむ、抱きしめる、キスするなどの行為や、飼育環境中のケージ、餌入れ、水入れなどに触れることにより、サルモネラに曝露する可能性がある(以下URL参照)。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.13(2016.06.22)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201613m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 最近発生しているエリザベトキンギア・アノフェリス(Elizabethkingia anophelis)感染アウトブレイク(2016年6月16日付更新情報)
2. 小規模飼育(Backyard Flock)の生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生している7件のサルモネラアウトブレイク
3. 輸入キュウリに関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Poona)感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. サルモネラおよびカンピロバクター臨床分離株の抗菌剤耐性に関する統一モニタリングのための欧州連合(EU)プロトコル(2016年6月更新版)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. EFSAが科学用語集を複数言語で作成:「アレルゲン(allergen)」から「人獣共通感染(zoonotic)」まで

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 市販鶏肉カンピロバクター汚染調査の第3四半期の結果を発表
2. 英国食品基準庁(UK FSA)が食品関連インシデントに関する2015年次報告書を発表

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 2015年の年次報告書をオンラインで発表