立命館大学は、「食科学部/College of Gastronomic Sciences」(仮称)を設置する準備に着手した。2018(平成30)年度開設を目指し、びわこ・くさつキャンパスに設置する計画。入学定員は300名前後。
構想では、「食」を人文科学・社会科学・自然科学の領域から総合的・包括的に捉え、「食」の問題を俯瞰的かつ深く理解し、実践的な課題解決能力やマネジメント能力を有する人材の育成を目指すとしている。
現在3つの科目群を構想している。
- フードカルチャー科目群
- 歴史学・哲学・心理学・地理学・文化人類学・考古学・民族学・芸術学といった人文科学の観点から人類にとってよりよい「食」のあり方を追求する。
- フードビジネス科目群
- マーケティング、食の経済学、外食産業論、ホスピタリティ・マネジメント、財務会計・国際戦略等の食ビジネスに精通するための知識を社会科学的視点から身につける。
- フードエコロジー科目群
- 「食」の持つ機能や「食」の安全・安心、環境資源学・資源循環論・食と社会のサイクル等を技術面と環境面から学ぶ。
設置を計画するびわこ・くさつキャンパス(BKC)は「文理総合型キャンパス」を掲げており、経済学部、理工学部、情報理工学部、生命科学部、薬学部、スポーツ健康科学部など既存学部との相乗効果も期待する。
さらに、学外機関との連携・提携も構想する。
- 国立民族学博物館等、国内外の研究機関、高等教育機関
- 業界団体(日本フードサービス協会等)
- 地方自治体(北海道、京都府、滋賀県、志摩市、姫路市、宮津市)
同大は構想の背景として、「現代経済社会において、『食』は、農業・漁業・食品生産などのモノの生産から、流通・外食・ホスピタリティ産業に代表されるサービス生産に大きく比重を移しており、それらを包摂した巨大な食産業への優秀な人材輩出が、全世界で必要」とされていること、「直接的な食行為や、観光産業や運輸、サービス業のみならず、食に関わる情報発信等はIT産業や出版・ジャーナリズム等でも最も重要なコンテンツとして今後も大きな拡大が期待」されていることを掲げる。
この社会的な背景を受け、人文科学・社会科学・自然科学の学際的な視点で「食」を総合的に教育研究し、「食」を総合的に分析・理解する人材養成を目的とする学部の設置に向けた準備を進めることとした。