今日は節分。どうも“恵方巻派 v.s. 豆まき派”のような取り上げ方が多いようですが、“どちらか”ではなく“どちらも”でいいですよね。
大切なのは“季節の大晦日”をしっかり締めくくる気持ちでしょう。1年を、24のシーズンの移り変わりととらえた24節気の24番目「大寒」の、同じく72のシーズンの移り変わりととらえた七十二候の72番目「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)の、今日は最終日です。
明日は“季節の元日”立春。七十二候では「東風解凍」(はるかぜこおりをとく)。気温が低い日や大雪はまだあるでしょうけれども、梅の花芽はふくらみ、冬が去っていくのを感じさせます。
◆
有機JASの格付件数は引き続き増えているようですが、一方、百貨店やスーパーマーケットの売り場を見ると、有機農産物の取り扱い点数は決して多くない様子がわかります。
青果流通、小売業や外食業のバイヤーと話していても、一時のような“有機熱”は感じられません。商品として見たときには、もはや有機農産物であることでの特別な価値はなくなり、有機認証があってもなくても、どのような独自性が伝わるかで選ぼうとするのが、今日のバイヤーの趨勢のようです。
有機農業がどのように始まり普及したのか、それがなぜどのように商業化したのか、そのあたりを踏まえて、これからの生産と消費で大切にしたい視点を説明する本が今月17日に発売となります(SB新書)。
ポイントは“有機 v.s. non-有機”のような“どちらか”ではなく、“どちらも”であるということです。
※このコラムはメールマガジンで公開したものです。