昨日は十五夜。関東は曇りでしたが、全国的には芋名月を楽しめた地域が多かったようです。
今日は九月九日で重陽、菊の節句です。古来中国では“陽”である奇数が重なる日に呪術的に何か強すぎるもの、不気味さを感じていたと聞きます。その不吉を祓うのが五節句ですが、特に単一の字では最大の奇数となる九が重なる日をとくに大事と考えていたそうです。
この日に菊酒を飲む習わしも中国伝来のもの。また、重陽の前夜に菊の花に綿を乗せておき、朝露を吸ったその綿で顔や体をぬぐうと不老長寿を得られると言われ、本邦の宮中や公家衆の間でも行われたそうです。
こなしあんで菊の花の形を作り、その上にそぼろ菓子をふんわりと乗せた和菓子「着せ綿」はそれを表現したものです。
※このコラムはメールマガジンで公開したものです。