「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が世界文化遺産に登録されることが決まりました。うれしいニュースです。
日本の養蚕の歴史は古く、しかも昭和初期までは外貨獲得のための最重要産業の一つでした。その後、戦争、化学繊維の登場、安価な海外産の台頭などにより、日本の養蚕業は衰退しました。
しかしカイコとヒトとの付き合いは紀元前15世紀頃からと言われ、カイコは長い歴史を持つ家畜の一つです。とくに養蚕で国を発展させてきた日本は、カイコに関する豊富な知見を蓄積しており、その研究は続いています。近年では、絹糸のタンパク質のセリシンやフィブロインが食品や化粧品の有用な素材として注目されています。
そしてカイコは体が大きな昆虫で、しかも飼いやすく、数をそろえられます。そのため、古くからショウジョウバエと並んで遺伝学、生物学の実験に貢献してくれています。シルク立国からバイオ立国へ、カイコと日本人の新しい付き合いはすでに始まっています。
カイコってすごい虫!
http://www.nias.affrc.go.jp/gmo/kaiko/kaikobio.pdf
※このコラムはメールマガジンで公開したものです。