国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.16(2015.08.05)を発表した。
注目記事
【US CDC】米国でコリアンダーが原因と疑われるサイクロスポラ症
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)に報告されているサイクロスポラ感染確定患者は7月30日時点で計358人である。過半数(199人、56%)の患者が、2015年5月1日以降に発症したことと発症の直前に国外旅行はしなかったことを報告している。
テキサス、ウィスコンシンおよびジョージアの各州でレストランやイベントに関連した患者クラスターが特定され、テキサス州およびジョージア州でクラスターの調査が続いている。ウィスコンシン州およびテキサス州でのクラスター調査の初期結果から、疑いのある原因食品としてコリアンダー(シラントロ)が特定されている。
クラスターに属していない患者に関連した具体的な食品を特定するための調査が継続中である。
【UK FSA】信頼できる食品のための戦略計画
英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)は、「FSAの2015~2020年の戦略目標」(FSA Strategy 2015-20)に掲げた目標を達成するため、今後5年間どのように活動していくかを説明した「戦略計画」(Strategic Plan)を発表した。
とくに、公衆衛生および消費者の食品関連の利益を守ることで、今後も食品の安全性が維持され(かつ安全であると言われ)、健康に良い食品が手頃な価格で買え、必要な情報を得たうえで喫食する食品を選択できるようになることが目標である。
「FSA Strategy 2015-20」では、FSAのすべての業務において消費者を第一に考えるという決意が再確認される一方、食品の安全性、価格、供給の確保および供給持続可能性に関して困難な問題が増えつつあることが認識されている。
本戦略計画はFSAが業務を遂行する際の方法論についても概説しており、以下にその一部を示す。
- 今日の課題の解決と将来の新興リスクの特定と取組みにおいて、科学、エビデンスおよび情報を利用する。
- 消費者の利益を守るために立法的および非立法的な手段を効果的に使用し、企業の行動に影響を与える。
- 真の透明性と求心力を持つことに努め、FSAの政策決定と実施、および食品業界との関係において消費者に権限を与える方法を模索する。
- FSA全職員が高度な能力を持ち、適切な支援を受け、消費者の保護、消費者への情報提供、および消費者への権限付与に大きく貢献するよう努める。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.16(2015.08.05)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201516m.pdf
今号の目次
【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2015年6月24日付)
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 米国で発生しているサイクロスポラ症アウトブレイク(2015年)
2. Barber Foods社の詰め物入り冷凍生鶏肉製品に関連して複数州で発生している薬剤耐性サルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(2015年7月16日、29日付更新情報)
3. Aspen Foods社の詰め物入り冷凍生鶏肉製品に関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(2015年7月16日付更新情報)
4. 冷凍の生マグロ製品に関連して米国の複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Paratyphi B var. L(+)tartrate(+))感染アウトブレイク(2015年7月22日付更新情報)
【Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)】
1. 主に食品を介して伝播する病原体による感染症の暫定罹患率と動向 - 食品由来疾患アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)の米国内10カ所のサイトでのデータ(2006~2014年)
【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 信頼できる食品のための戦略計画を発表