国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.15(2014.07.23)を発表した。
注目記事
【US CDC】牛ひき肉によるO157:H7感染アウトブレイク
米国疾病予防管理センター(US CDC)は、米国複数州の公衆衛生当局および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)と協力し、複数州にわたり発生した志賀毒素産生性大腸菌O157:H7(STEC O157:H7)感染アウトブレイクの調査を行った。
2014年6月16日までにSTEC O157:H7アウトブレイク株の感染患者が4州から計12人報告された。
本アウトブレイクの公衆衛生調査では患者を特定するためにPulseNetシステムを利用した。PulseNetは、公衆衛生当局および食品規制当局の検査機関が参加し、CDCが統括する分子生物学的サブタイピングネットワークであり、PFGE法による診断検査で得られた大腸菌のDNAフィンガープリントデータを集積している。
【UK FSA】英国では微生物学的汚染が増加/食品基準庁の2013年度報告書
英国食品基準庁(UK FSA)は「食品関連インシデント(incident)に関する2013年次報告書(Annual Report of Incidents 2013)」を発表した。本報告書は2013年にFSAが対応した広範なインシデントを取り上げている。
英国では、2013年に計1,562件の食品および環境汚染インシデントが報告され、FSAがこれらを調査した。2013年の報告件数は2012年より42件減少したが、2009年以前と比べると依然として多い。
これらのインシデントを構成する3つの主なカテゴリーは、微生物学的汚染(21%)、環境汚染(15%)、および自然化学物質汚染(9%)であった。このうち微生物学的汚染のインシデントのみ件数が徐々に増加しており、2006年の147件から2013年には322件となった。2013年は微生物学的汚染インシデントの30%以上がサルモネラを原因とするものであった。
【ECDC】欧州自由貿易連合における感染症実被害の推定
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、感染症による現在および将来の実被害を推定する手法の開発に取り組んでいる。目的は、欧州連合の全加盟国、ノルウェー、アイスランドおよびリヒテンシュタインが自国の疾患実被害を把握できるような方法を開発すること。そのような方法が開発されれば、推定値やその動向の各国間での比較の精度が向上する。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.15(2014.07.23)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201415m.pdf
今号の目次
【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2014年6月27日付)
【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. カリフォルニア州の会社がサルモネラ(Salmonella Heidelberg)汚染の可能性により鶏肉製品を回収(2014年7月12日付更新情報)
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 有機発芽チアパウダーに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2014年7月17日付更新情報)
2. 牛ひき肉に関連して複数州にわたり発生した志賀毒素産生性大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(最終更新)
【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)が食品関連インシデント(incident)に関する2013年次報告書を発表
2. 英国食品基準庁(UK FSA)理事会が生乳(未殺菌乳)の販売に関する提案を検討
【デンマーク国立血清学研究所(SSI)】
1. デンマークの人獣共通胃腸感染症(2013年)
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 食品の喫食によるブルセラ菌感染に関してよくある質問
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 欧州連合および欧州経済領域/欧州自由貿易連合における現在および将来の感染症実被害の推定
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報