アメリカでクローバースプラウトによるO121感染

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.11(2014.05.28)を発表した。

注目記事

【US CDC/US FDA】クローバースプラウトのO121感染

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、アイダホ州およびワシントン州の公衆衛生当局および米国食品医薬品局(US FDA)と協力し、複数州にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌O121(STEC O121)感染アウトブレイクを調査している。

 2014年5月21日までに、上記2州でSTEC O121感染の確定患者計7人および疑い患者計3人が報告されている。州ごとの患者数はアイダホ州が3人、ワシントン州が7人。

 州・地域の当局が行った初期の疫学調査の結果は、患者と生のクローバースプラウトの喫食との関連を示している。聞き取り調査では9人(90%)の患者が、発症前1週間に生のクローバースプラウトを喫食したことを報告した。この比率は、健康な者に行った聞き取り調査での調査前1週間の生のクローバースプラウトの喫食率8%より有意に高い。

 米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)、ワシントン州保健局(WDOH)およびアイダホ州健康福祉局(IDHW)は、Evergreen Fresh Sprouts社の生のクローバースプラウトを喫食しないよう消費者に注意喚起を行っている。

 WDOHの初期調査によると、患者は、Jimmy John’s Gourmet Sandwiches(King郡、Spokane郡、Kootenai郡)、Pita Pit(Spokane郡)およびDaanen’s Deli(Kootenai郡)の各店舗のいずれかで、スプラウトが使用されたサンドイッチを喫食した。患者が生のクローバースプラウトの喫食を報告したレストランは、自主的にスプラウトの提供を控えている。

 WDOHは、他のレストランや、消費者が自宅用にスプラウトを購入する食品小売店にも同社がスプラウトを出荷したことを報告している。

【CFIA】カナダの生鮮葉物ハーブでGAPとGMPの勝利

 カナダ食品検査庁(CFIA: Canadian Food Inspection Agency)カナダ食品検査庁(CFIA)がさまざまな食品の通常検査の一環として行った生鮮葉物ハーブ検体の検査結果によると、2009/2010年に収集された検体の98%超が病原性細菌および糞便系大腸菌群(非病原性の糞便汚染指標菌)に汚染されておらず、食品として安全であった。

 今回の検査結果により、カナダの市場に出荷されている生鮮葉物ハーブの大部分が適正農業規範(GAP)および適正製造規範(GMP)に従って生産され、取り扱われていると考えられる。しかし、ハーブの病原性細菌汚染が散発的に発生する可能性がある。消費者は、生鮮葉物ハーブを購入し喫食する場合は、その食品安全に関するカナダ政府の助言に従うことが推奨される。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.11(2014.05.28)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201411m.pdf

今号の目次

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 生のスプラウトの喫食に関連して複数州にわたり発生している大腸菌O121感染アウトブレイクの調査
2. 米国食品医薬品局およびその協力機関が食品由来疾患の原因食品特定に関するオンラインセミナーの録画をウェブサイトに掲載

【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. ミシガン州の会社が大腸菌O157:H7汚染の可能性がある牛ひき肉製品を回収(患者発生)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 生のクローバースプラウトに関連して複数州にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌O121感染アウトブレイク(初発情報)
2. 牛ひき肉に関連して複数州にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(初発情報)

【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 生鮮葉物ハーブ検体の98%超が病原性細菌および糞便系大腸菌群検査で陰性(カナダ食品検査庁による1,200を超える検体の検査の結果)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州の複数国にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Stanley)感染アウトブレイク(2014年5月8日付更新情報)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. EUの報告システムを介した食品由来疾患アウトブレイクの統一された報告方法に関する技術仕様書の更新

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報