FDA副長官が食品のカフェインに関する報告書について声明

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.02(2014.01.22)を発表した。

注目記事

【EFSA】ビスフェノールA:EFSAはヒト健康リスク評価について意見募集

 欧州食品安全機関(EFSA)は、ビスフェノールA(BPA)の暴露によるヒト健康リスク評価案について、2014年3月13日まで意見を募集する。

 評価では、BPAが乳腺と同様に腎臓や肝臓に有害影響を与える可能性があると結論し、マウスの腎臓重量の10%の変化を有害影響としたベンチマーク用量信頼下限(BMDL)に基づく一日耐容摂取量(TDI)を導出した。EFSAは、暫定的に、以前設定した50μg/kg bw/ dayよりも低い5μg/kg bw/dayをTDIとして提示した。ただし、引き下げたTDIと比較しても胎児や乳幼児を含む全ての集団でリスクは低く、最も高い暴露量推定でも暫定TDIに比べて十分に低いとしている。

※ポイント:EFSAは、これまで2006、2008および2010年にBPAに関する科学的意見を出しており、そのうち2006年の評価でTDI(50μg/kg bw/ day)を出しています。最後の2010年の評価では、それまでの評価結果を変更するだけの新しい科学的根拠はないとの結論でしたが、ヒトへの健康影響についていくつかの不確実な懸念があるため、新しいデータが得られた場合には再度評価を行う必要があるとしていました。

 その後に得られた新データに基づき行われたのが今回の包括的な評価です。評価は、(1)暴露評価、(2)ハザード同定・ハザード特性付け、の2段階で行われ、最終的にリスク判定が行われました。

 (1)の暴露評価については昨年7月に評価案が公表されてすでに意見が募集されており、今号で紹介しているのが(2)のハザード同定・ハザード特徴付けと、最終的なリスク判定に関する評価案に関する意見募集です。

 EFSAは、今後、両段階で寄せられた意見を合わせて考慮した上で最終版にすると述べています。ただし、米国国家毒性プログラム(NTP)でもBPAの影響について研究が行われているので、その結果によっては、さらなる検討が行われる可能性があります。

【FDA】FDA食品動物用医薬品副長官Michael R. Taylorの、食品とダイエタリーサプリメントのカフェインに関するIOM報告書についての声明

 米国食品医薬品局(FDA)の要請によりIOM(Institute of Medicine)が2013年8月5~6日にカフェインの安全性についての現在の科学をレビューするためのワークショップを開催し、その要約がIOMより公表された。FDAは、現在、カフェインの安全性について、特にカフェインを添加した飲料等が子どもや青少年に与える影響について調査を行っており、その調査の継続にあたりIOMの公表資料は非常に良い情報源になるとしている。

※ポイント:カフェインを意図的に添加した食品が増加しており、それらの中にはカフェインによる影響を受けやすいと考えられる子どもや青少年向けの食品もあることから、FDAはその健康リスクについて調査を行っています。以前、アルコールとカフェインの混合品が問題になりましたが、それについては業界に販売を自粛するよう働きかけました。今後の調査結果によっては、子どもや青少年向けの製品についても何らかの対策が採られる可能性があります。

 また、今号の記事で紹介しているように、FDAはダイエタリーサプリメントによる有害事象を積極的に収集するためにオンライン報告システムを開設しました。ここに集められた事例も、調査に含めるとしています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.02(2014.01.22)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201402c.pdf

今号の目次

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)査察報告書:イタリア
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. ビスフェノールA:EFSAはヒト健康リスク評価について意見募集
2. ヨウ素の食事摂取基準についての科学的意見にパブリックコメント募集
3. ビタミンDを多く含むUV処理パン酵母の安全性に関する科学的意見
4. 健康強調表示関連
5. 動物飼料用添加物関連
6. 遺伝子組換え関連

【FSA】
1. 食品の地理的由来の研究
2. 多動と関連する色素を含まない製品更新
3. EFSAがBPAについて第二段階の意見募集を開始

【HSE】
1. 英国化学物質規制委員会(CRD:Chemicals Regulation Directorate):Regulation(EC)No 1107/2009:内分泌攪乱物質とその代用品候補についての進捗状況

【NHS】
1. Behind the headlines:恐ろしいDNP「ダイエットドラッグ」に新たな警告

【ASA】
1. ASA裁定

【BfR】
1. 何でもかんでも捕まえないように-魚の取り扱いのための消費者向けTIPS

【ANSES】
1. EFSAのビスフェノールAについての意見募集:ANSESは3月13日までに意見を提出予定

【FDA】
1. FDA食品動物用医薬品副長官Michael R. Taylorの、食品とダイエタリーサプリメントのカフェインに関するIOM報告書についての声明
2. FDAは中国への輸出に関心のある米国の乳製品製造加工業者のリストを作成
3. FDAはダイエタリーサプリメントの有害事象の報告を促すために新しいオンライン報告方法を開始
4. FDAは飲料と液状ダイエタリーサプリメントの要件の相違点を明確にする企業向けガイダンスを発表
5. FDAは酸性および酸度の低い缶詰食品の製造業者のFDAへの情報提出法の変更についてガイダンス案を発表
6. FDAは2013年自主的全国小売り食品規制計画基準を公表
7. 自主回収
8. 警告文書(2014年1月7日、14日公表分)

【CDC】
1. 2014年ウエストバージニアでの化学物質の放出

【CFIA】
1. 検査した99%以上のビール検体は乳と卵タンパク質が陰性

【FSANZ】
1. 食品規制におけるリスク分析
2. 食品基準改訂No.145

【TGA】
1. 安全性警告
2. 2013年12月11日に保健省で行われたTGAのプレゼンテーション

【香港政府ニュース】
1. 旧正月食品は安全性検査に合格

【MFDS】
1. 参考資料 日本産輸入食品の放射能の検査結果
2. インターネットサイトの販売「性機能の改善標榜食品」購入の注意
3. 食品医薬品安全庁、ニンニクを健康機能食品として認定
4. 2014年に食品.医薬品安全政策はこのように変わります

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から