【1】TPP交渉に日本参加
【2】和食がユネスコ無形文化遺産登録決定
【3】老舗ホテル・デパートの料理名偽装発覚
【4】食品値上げが相次ぐ
【5】楽天球団日本一と東北復興
【6】原発の風評被害は継続中
【7】BSE全頭検査に終止符
【8】食品ロス削減へ一歩前進
【9】新食品表示制度の迷走
【10】ビッグデータ活用広がる
選んだニュースの順位はつけ難い。関連するものをグループ化して解説する。
1つ目はグローバル化である。安倍船長の下、日本再興に向けて日本丸は順調に船出した感がある。航海するのは、グローバル海。気象が変わりやすく、海流は複雑である。「ハラール認証に注目」「訪日外国人数1000万人突破」をランク外で添えておこう。
2つ目が東北復興、3つ目はリスコミ推進とIT活用とまとめた。
グローバル化へアベノミクス始動
【1】TPP交渉に日本参加
日本にとって、TPP参加は必須と考えていたので喜ばしい。農業への影響はあるだろうが、構造改革を進める契機にしたい。大規模化しながら、高品質を保つ。市場は世界である。自動車やIT製品に加えて、農産物輸出をさらに増やしたい。
【2】和食がユネスコ無形文化遺産登録決定
和食は「おいしい」「ヘルシー」「美しい」と、世界の評判は高かった。クールジャパンの柱となるコンテンツである。本登録で、さらに弾みをつけたい。オリンピックの2020年東京開催も決定した。また、全国民で和食の心を再認識したい。
【3】老舗ホテル・デパートの料理名偽装
信頼の高かった老舗デパートの責任者までが「誤記」と説明した。既視感(デジャヴュ)を覚えた方が多かったに違いない。2008年の「船場吉兆つぶやき女将」を想い出した。日本ブランドを棄損してはいけない。早期にルールを確立し、関係者は襟を正したい。
【4】食品値上げが相次ぐ
昨年も取り上げたが、今年も秋口に食品値上げが相次いだ。デフレ克服も一因だろうが、最大の原因は小麦等の原材料高騰である。この傾向は構造的なもので、今後変わることはないことを認識したい。
東北復興に力を合わせたい
【5】楽天球団日本一と東北復興
日本再興から外せないのが、「東北復興」である。マーくんの大活躍と皆の応援が実ったのが、楽天球団の日本一である。「あまちゃん」ブームがあり、「B-1グランプリ」で福島県浪江町の「なみえ焼きそば」(エントリー名「浪江焼麺太国」)がゴールドグランプリに輝いた。国民の期待の表れと感じている。
【6】原発の風評被害は継続中
東北復興に反するのが風評被害で、継続中である。本サイト「新読み書きバイオ」の「消費者は放射能に関心/食行動に変化なし/農産物は産地を気にする/食の安全・安心財団の調査から」にあるように、消費者は産地で商品を選択している。福島ではイネの作付け範囲が拡大されたが、増えた範囲は限られていた。また、魚介類の売上げも苦戦している。
リスコミ推進とIT活用
【7】BSE全頭検査に終止符
風評被害を軽減するのは丁寧な説明である。同時に、的確な仕事振りを示して政府や行政への信頼感を高めることが必要である。うまく進んだ例として、BSE全頭検査廃止が挙げられる。
【8】食品ロス削減へ一歩前進
具体例として、3分の1ルール緩和実験等が挙げられる。効果を確かにするには、消費者の協力が求められる。リスコミの責任官庁は消費者庁。的確に進めていただきたいものである。
【9】新食品表示制度の迷走
表示の目的は複数存在するが、表示できる情報は限られる。重要性を見極める必要がある。コストがかかれば、最終的に消費者が負担することになる。情報提供にはネット活用を積極的に検討すべきだ。中小メーカーも利用できるプラットフォームを作りたい。
【10】ビッグデータ活用広がる
IT技術の進歩は止まるところを知らない。ビッグデータの活用が始まっている。ルールを明確化して、活用がスムーズに進められるようにしたい。食品分野のマーケティングも大きく変わるに違いない。
●これまでの「10大ニュース」
《特別企画》2012年食の10大ニュース[一覧]
《特別企画》2011年食の10大ニュース[一覧]
《特別企画》2010年食の10大ニュース[一覧]