FDAがスパイスのリスクプロファイル案を作成

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.23(2013.11.13)を発表した。

注目記事

【US FDA】スパイス中の病原体と異物に関するリスクプロファイル

 米国食品医薬品局(US FDA)は、スパイス中の病原体および異物に関するリスクプロファイル(案)を作成した。最近、サルモネラに汚染されたスパイスの喫食によって米国でアウトブレイクが複数件発生したことを受けて作成が開始された。

 リスクプロファイルとは、特定の食品安全問題に関連する現時点での知見、および現在実施可能なリスク低減・管理対策を記載し、不足している重要な知見を指摘する、科学的根拠にもとづく文書である。

 本リスクプロファイル(案)では、スパイス中に最も頻繁に見出される微生物学的ハザードおよび異物が特定され、可能な場合は、フードチェーンの様々な段階でのこのような有害物質の汚染率および汚染レベルが定量的に示されている。

【US FDA/USDA FSIS】包装済みサラダ製品のO157

 米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)は、米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS: Department of Agriculture, Food Safety and Inspection Service)、米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)および複数州・地域当局と協力し、包装済みサラダに関連して発生している可能性がある複数州にわたる大腸菌O157:H7感染アウトブレイクを調査している。

 2013年11月10日、FSISは、疫学・追跡調査により患者との関連が示唆されたため、加熱済み鶏肉・ハム入りの、そのまま喫食可能な(ready-to-eat)サラダ製品およびサンドイッチ製品計約181,620ポンド(約82トン)をGlass Onion Catering社(カリフォルニア州Richmond)が回収していると発表した。

 FSISは、大腸菌O157:H7汚染の可能性があるとして、加熱済み鶏肉・ハム入りの、そのまま喫食可能な(ready-to-eat)サラダ製品およびサンドイッチ製品計約181,620ポンド(約82トン)をGlass Onion Catering社(カリフォルニア州Richmond)が回収していると発表した。

 CDCによると、本アウトブレイクのSTEC O157:H7株のPFGEパターンは、PulseNetのデータベースにこれまで登録されたことがない新しいパターンである。

 現時点で報告されている本STEC O157:H7アウトブレイク株感染患者は、アリゾナ(1人)、カリフォルニア(22人)およびワシントン(3人)の3州で特定された計26人である。

【UK PHE】ノロウイルス感染拡散防止パンフレット

 イングランド公衆衛生局(UK PHE: Public Health England)は、この冬のノロウイルス対策として、国民に注意を呼びかけるパンフレットを作成した。

 ノロウイルスは冬季の嘔吐症状の原因ウイルスとして知られ、英国ではすべての年齢層で最も一般的にみられるウイルス性胃腸炎の原因ウイルスとなっている。ノロウイルスは感染力が非常に強く、汚染表面や感染者への接触、および汚染食品や汚染水の摂取により容易に感染する。

 パンフレットでは、国民への助言として以下の内容が記されている。

・ トイレの使用後および食品調理や食事の前は、石けんと水でしっかりと手指を洗浄し乾燥させる。
・ ウイルス対策としてアルコールジェルに頼ってはならない。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.23(2013.11.13)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201323m.pdf

今号の目次

【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2013年10月26日付)

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 包装済みサラダ製品に関連している可能性がある複数州にわたる大腸菌O157感染アウトブレイク
2. 食品安全の強化に向けて米国食品医薬品局がスパイス中の病原体と異物に関するリスクプロファイル(案)を発表

【米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)】
1. カリフォルニア州の会社が大腸菌O157:H7汚染の可能性があるグリルチキンサラダを回収
2. 生の食肉製品および家禽肉製品のサルモネラ検査およびカンピロバクター検査に関する四半期報告:2013年4~6月の暫定結果

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. そのまま喫食可能なサラダに関連して複数州にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌O157:H7感染アウトブレイク
2. Foster Farmsブランドの鶏肉製品に関連して複数州にわたり発生している多剤耐性サルモネラ(Salmonella Heidelberg)感染アウトブレイク(2013年10月30日付更新情報)
3. サルモネラと鶏肉に関する注意事項と対策

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州連合および欧州経済領域(EU/EEA)におけるF型ボツリヌス症への備え

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. EFSAがA型肝炎アウトブレイクの感染源調査に協力

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【イングランド公衆衛生局(UK PHE)】
1. ノロウイルス感染拡散防止パンフレット

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 良好な食品衛生は食品提供業者にもメリット

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 食品消費者製品安全庁(NVWA)および感染症管理センター(CIb)に報告されたオランダの食品由来感染症と食中毒(2012年)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. ドイツ連邦リスクアセスメント研究所の年次報告書(2012年)
食品安全情報(微生物)No.23 / 2013(2013.11.13)

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報