国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.15(2013.07.24)を発表した。
注目記事
【CFIA】リステリア菌を排除するためのゲノムプロジェクトにカナダ政府等が資金援助
カナダ食品検査庁(CFIA)およびAlberta Innovates Bio Solutionsは、食品由来リステリア症の予防を支援するため、新規の研究プロジェクトに140万カナダドルを援助する。
このプロジェクトはアルバータ州立大学のLinda Chui博士の主導による。ヒトの健康に最も有害な株や食品加工施設で生残する可能性の最も高い株を特定するため、多くのリステリア菌株のゲノムの塩基配列決定およびマッピングをが行う。この研究により、食品中のリステリア菌のスクリーニングの迅速化および費用対効果の向上が達成され、カナダの食品の安全性がより高まると考えられる。
【UK FSA】ハーブの喫食における注意点
英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)は、生鮮カレーリーフ(オオバゲッキツまたはナンヨウザンショウまたはカレーノキの葉)を喫食または料理に使用する際は、使用前に丁寧に洗うよう注意喚起を行っている。
Newcastle市で開催された野外のスパイスフェスティバルで、サルモネラなどの複数種の菌に汚染されていた生鮮カレーリーフが非加熱で使用されたことにより、400人以上が食中毒を発症した。
【RIVM】ブロイラーのカンピロバクター対策としての微生物規格
オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)は、鶏肉中のカンピロバクターに関する基準を設定した。
カンピロバクターはオランダの食品由来疾患の最も重要な病因物質の1つで、カンピロバクター症全患者の約30%がブロイラー鶏肉の喫食および調理に関連している。これは主に、調理場で、鶏肉とサラダなど生で喫食される食品や完全に火を通さない食肉(頻度は低い)との間で交差汚染が起こることが関係している。
オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の研究では、大量生産されたブロイラー鶏肉中のカンピロバクター菌数を減らせばブロイラー鶏肉によるカンピロバクター症の多くを予防できることが示されている。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.15(2013.07.24)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201315m.pdf
今号の目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 米国で発生しているサイクロスポラ症アウトブレイク
2. トルコからの輸入ザクロに関連して複数州にわたり発生しているA型肝炎アウトブレイク(2013年7月22日付更新情報)
3. 生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Infantis、S. Lille、S. Newport、S. Mbandaka)感染アウトブレイク(2013年7月18日付更新情報)
【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 食品供給チェーンからリステリア菌を排除するための新しいゲノムプロジェクトにカナダ政府と協力機関が資金援助
【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. イタリアおよびアイルランドのA型肝炎アウトブレイクのウイルス株が一致
【イングランド公衆衛生局(UK PHE)】
1. スパイスフェスティバルで発生した胃腸炎アウトブレイクに関する調査の結果
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. カレーリーフの喫食における注意点
2. 食肉を介したウシ結核感染リスクに関する英国食品基準庁(UK FSA)の見解
3. 食品関連インシデント(incident)に関する年次報告書を発表
4. リステリア規格基準の厳格化に係るコストに関する情報を募集
【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 輸入冷凍ベリー製品に関連して発生しているA型肝炎アウトブレイク
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 食品関連の病原体による疾患の実被害(オランダ、2011年)
2. 食品関連の病原体による疾患の実被害と疾病費用(オランダ)
3. ブロイラー鶏肉チェーンでのカンピロバクター対策としての微生物規格
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報