養鶏場のニワトリは、1日に100~130gの飼料を食べる。彼らが毎日(と期待されている)生む卵の重さは、LL玉が70~76g、L玉64~70g、M玉58~64g。愛鶏園の齋藤大天氏が以前説明してくれた言葉を借りれば、「まあ、食べたものがそっくり卵んなって出て来ちゃうとイメージしてください」ということになる。……ちょっとオーバーだが、卵の重さは、毎日摂取する飼料の重さの半分以上ということだ。
「だから、おかしなものを食わせるわけには行かないんです」と大天氏(苗字が私と同じなので名前で書かせてください)。
ところで卵の黄身はなぜ黄色いか?
大天氏、「あれは、本来無色ですよ。黄色というよりも白」と。
ではなぜ黄色い? 答えは簡単。餌にトウモロコシが入っているから。いわば、トウモロコシの黄色がそっくり黄身の色になって出てくる。
さて。黄身に赤みがさしている卵もあるが。ほとんど朱色の黄身の卵を出すのを自慢にしている飲食店もある。
大天氏、表情を曇らせる。「当然、赤いものを食べているから赤くなるわけです」と。「スーパーや生協の人には、『卵の黄身は本来無色なんですよ』って教えるんですが、消費者が店に『もっと赤いの』と求め、店が生産者に『もっと赤いの』と言って来る。弱腰の生産者なら、言われるがまま、『もっと赤いの』にしますよね。そういうもの食べさせて」
そういうものとは?
「まあ、良心的なところならパプリカの粉を与えるでしょう。」
良心的じゃないところは?
「当然石油系の着色料ということになるでしょう。値段が違いますよ。格段に安い」
今の私は鶏卵を買って食べることがほとんどないのだけれど、身内には、「黄身の色で選ぶことはないよ」と伝えている。
※このコラムは個人ブログで公開していたものです。