
日本フードサービス協会(JF)は2025年3月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数222、店舗数36,405店=100.4%)合計の売上高は107.0%と拡大。客単価は上昇したが、客数は102.5%と前年同月を上回った。
売上高は、その他を除くすべての業種・業態がプラス。とくに、中華ファミリーレストラン(12.7%増)、和風ファミリーレストラン(10.9%増)、和風ファストフード(10.8%増)が好調で、計10の業種・業態が5%以上の増だった。
客数は、その他(▲3.5%)、その他ファストフード(▲2.3%)、パブ・ビアホールパブ(▲1.8%)、焼肉ファミリーレストラン(▲1.7%)、持ち帰り米飯/回転寿司(▲1.2%)、居酒屋(▲0.5%)が前年を下回った。
客単価はすべての業種・業態で上昇。和風ファストフード(10.0%)、その他ファストフード(8.8%)、中華ファミリーレストラン(7.2%)、喫茶(7.1%)などの上昇幅が大きい。
JFによる概況は以下のとおり。
3月は、月初の降雪で宴会のキャンセルなど影響を受けた業態もあったが、後半は歓送迎会、春休みの家族需要もあり、外食全体の売上は前年比107.0%となった。また、3月として訪日外客数が過去最高を更新したインバウンドもプラス要因となった。外食全体の売上は比較的堅調となったが、物価高騰が続く中、消費者の選別は進んでおり、一部業態・企業では客数が前年割れするなど、業種間・企業間で差が見られた。備蓄米の放出が始まったが値上がりが続いていることも、経営圧迫の一因となっている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年3月)

事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=222) | (N=36,405) | 107.0% | 100.4% | 102.5% | 104.4% | |
ファストフード | 合計 | (N=52) | (N=21,113) | 107.5% | 100.9% | 102.6% | 104.7% |
洋風 | (N=16) | (N=6,101) | 106.3% | 101.4% | 105.3% | 100.9% | |
和風 | (N=16) | (N=5,462) | 110.8% | 101.5% | 100.8% | 110.0% | |
麺類 | (N=17) | (N=3,134) | 108.7% | 100.4% | 103.0% | 105.5% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=18) | (N=4,102) | 105.6% | 99.4% | 98.8% | 106.9% | |
その他 | (N=7) | (N=2,314) | 106.3% | 101.4% | 97.7% | 108.8% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=9,928) | 107.0% | 99.3% | 102.8% | 104.1% |
洋風 | (N=34) | (N=4,897) | 105.8% | 97.0% | 102.3% | 103.5% | |
和風 | (N=29) | (N=2,363) | 110.9% | 101.4% | 104.1% | 106.6% | |
中華 | (N=14) | (N=1,279) | 112.7% | 103.3% | 105.1% | 107.2% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,389) | 100.7% | 100.5% | 98.3% | 102.4% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=1,777) | 100.8% | 100.6% | 99.0% | 101.8% |
パブ・ビアホール | (N=12) | (N=397) | 100.0% | 101.8% | 98.2% | 101.9% | |
居酒屋 | (N=28) | (N=1,380) | 101.3% | 100.3% | 99.5% | 101.7% | |
ディナーレストラン(計) | (N=23) | (N=889) | 107.0% | 101.6% | 106.4% | 100.5% | |
喫茶(計) | (N=25) | (N=2,469) | 108.2% | 100.4% | 101.0% | 107.1% | |
その他(計) | (N=21) | (N=229) | 98.7% | 89.8% | 96.5% | 102.3% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は52、店舗数は21,113店(100.9%)。客単価は上昇したが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は107.5%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数16、店舗数6,101店=101.4%)は、客単価は前年並みだが、客数は105.3%と増加。売上高は106.3%と拡大。
和風ファストフード(事業社数16、店舗数5,462店=101.5%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇しながら、客数は100.8%と前年並み。売上高は110.8%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数17、店舗数3,134店=100.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.0%と前年同月を上回った。売上高は108.7%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数18、店舗数4,102店=99.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.8%と前年同月を下回った。売上高は105.6%と拡大。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,314店=101.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.7%と前年同月を下回った。売上高は106.3%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は9,928店(99.3%)。客単価は上昇したが、客数は102.8%と前年同月を上回った。売上高は107.0%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数4,897店=97.0%)は、客単価は上昇したが、客数は102.3%と前年同月を上回った。売上高は105.8%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数29、店舗数2,363店=101.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.1%と前年同月を上回った。売上高は110.9%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,279店=103.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.1%と増加。売上高は112.7%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,389店=100.5%)は、客単価は上昇し、客数は98.3%と前年同月を下回った。売上高は100.7%と前年同月をクリア。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は1,777店(100.6%)。客単価は上昇し、客数は99.0%と前年同月を下回った。売上高は100.8%と前年同月をクリア。
パブ・ビアホール(事業社数12、店舗数397店=101.8%)は、客単価は上昇し、客数は98.2%と前年同月を下回った。売上高は100.0%と前年同月をクリア。
居酒屋(事業社数28、店舗数1,380店=100.3%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.5%とほぼ前年並み。売上高は101.3%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数23、店舗数889店=101.6%)は、客単価は前年並みだが、客数は106.4%と増加。売上高は107.0%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数25、店舗数2,469店=100.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.0%と前年同月を上回った。売上高は108.2%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数21、店舗数229店=89.8%)は、客単価は上昇し、客数は96.5%と前年同月を下回った。売上高は98.7%と前年同月を下回った。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html