国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州委員会が「警戒協力ネットワーク」に関する2023年次報告書を公表した。激辛スナックと食品中のカンナビノイドが特記されている。英国食品基準庁とスコットランド食品基準局が食品犯罪戦略評価2024を公表した。
注目記事
【EC】欧州委員会が食品安全警告と農業食品偽装の調査に関する2023年次報告書を公表
【FSA/FSS】FSAとFSSは食品偽装に対して企業を支援し消費者を保護するための戦略評価を公表
欧州委員会(EC)が「警戒協力ネットワーク」(ACN)に関する2023年次報告書を公表した。また、英国食品基準庁(FSA)とスコットランド食品基準局(FSS)が食品犯罪戦略評価2024を公表した。
※ポイント:両報告書とも定期的に公表されているもので、欧州諸国における食品にかかわる違反事例や食品偽装の概要を知ることができます。今回のEC報告書で特記されていたのが「トウモロコシ粉スナックに含まれるカプサイシノイド:激辛チップチャレンジ」と「食品中のカンナビノイド」の問題でした。前者の激辛チップトルティーヤは国際的に流行した製品で、2023年9月に米国で子供の死亡事故が発生したことから大きな問題となり、各国でリコールの対象にもなりました。
【EC】欧州委員会は、人の健康と環境を守るため、PFAS化学物質のサブグループの使用を制限する
ECは、REACH規則のもと、ウンデカフルオロヘキサン酸(PFHxA)、その塩類及びPFHxA関連物質の使用を制限するための新たな措置を採択した。対象は消費者用繊維製品、食品接触物質、防水スプレーなどの消費者用混合製品、化粧品、一部の泡消化剤などである。本規制は欧州化学品庁の化学的評価に基づきREACH規則のもとECが講じた措置であり、欧州5カ国による2023年の提案を受けて現在評価が進められている全PFASを対象とする規制とは異なるものである。
※ポイント:新たなPFHxA規制の適用範囲のうち食品に関連する製品は、食品接触物質として使用される紙及びボール紙です。均質材料で測定してPFHxA及びその塩類の合計が25ppb以上、PFHxA関連物質の合計が1000ppb以上の濃度での上市及び使用が制限対象となり、発効日から24カ月間の経過措置期間が設けられ、2026年10月10日から適用される予定です。
【FDA】証言:FDAのヒト用食品及びタバコのプログラム評価
米国食品医薬品局(FDA)のヒト用食品担当Jim Jones副長官による食品安全に関する議会証言が公表された。FDAの近年最大の組織再編の一環として、2024年10月1日にヒト用食品プログラム(Human Food Program: HFP)が正式に開始することを受けて、HFP変革ビジョンとして戦略的優先事項を示している。
※ポイント:戦略的優先事項のうち興味深かったのは、食品に含まれる化学物質の安全性の監視強化として、専門部署を設けた上で市販後評価のための体系的なプロセスの構築に取り組む予定であること、またダイエタリーサプリメントの安全性の強化として、製造業者に対して製品とその成分リストのFDAへの提出を要求できる権限取得に向けて議会と協力して取り組む方針を示したことです。
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. 動物用医薬品の残留リスク評価のためのJECFAツールボックス
2. Nature誌の記事:グローバルな食品安全と循環型農業食料システム
3. 国際農産物市場と貿易の透明性と効率性は、食料安全保障を達成するための優先事項である
4. Codex
【EC】
1. 欧州委員会は、人の健康と環境を守るため、PFAS化学物質のサブグループの使用を制限する
2. 欧州委員会、食品安全警告と農業食品偽装の調査に関する2023年次報告書を公表
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. 食品及び飼料分野における新しいアプローチ方法論の適用に関する報告書
2. 食品及び食品原料の生産において抽出溶媒として使用されるヘキサンの安全性の再評価の必要性に関する技術的報告書
3. 標準化した飼料分類システムを用いた飼料摂取データベース開発の提案
4. 農薬関連
【FSA】
1. FSAとFSSは食品偽装に対して企業を支援し消費者を保護するための戦略評価を公表する
2. 大多数の企業は、食品衛生評価をオンライン上で宣伝する機会を逃している
3. FSA理事会はイングランドのスーパーマーケットに対する国家レベルの新たな規制についてさらなる議論を求める
【FSS】
1. リコール情報
【DWI】
1. 鉛についてのpodcastを公開
【FSAI】
1. FSAI、非加熱または生の豆の摂取に関する予防的アドバイスを提供
【BfR】
1. アシュワガンダ:潜在的な健康リスクのあるフードサプリメント特に子供、妊婦、授乳中の母親、肝臓疾患のある人は避けるべきである
2. ボタン型電池:小さな子供が飲み込むと重大な健康被害の可能性がある
3. 新しいアプローチ方法論(NAMs):ただの「動物実験の代替案」ではないナノマテリアルの健康リスク評価のための新しいアプローチ方法論
【ANSES】
1. 国民の健康:フランス公衆衛生局とANSES はAlbane調査の第1段階を開始
2. 母乳:栄養上の利点と健康問題
【IMR】
1. 第三国からノルウェーに輸入される水産物の医薬品、違法物質、汚染物質、微生物の監視プログラム—2023年度年次報告書
【Ruokavirasto】
1. 魚の安全な摂食の勧告に魚種による例外を追加
2. 研究:国産魚を食べると得をする
【CAFIA】
1. CAFIA、ベニテングタケ由来の幻覚物質を含む製品を禁止
2. 検査機関は販売者に通知し、消費者に知らせる:野生キノコの販売にはCAFIAが定めた規則が適用される
【FDA】
1. 証言:FDAのヒト用食品及びタバコのプログラム評価
2. FDAは小売の乳製品を含まないとされるダークチョコレート及びチョコレート含有製品の乳アレルゲンのサンプリング結果を発表した
3. 疾病調査:Diamond ShruumzブランドのMicrodosing Chocolate Bars(2024年6月)
4. 消費者情報注意:ボディービル用製品は危険である可能性がある
5. 新Food Codeの更新:「Molluscan Shellfish」識別記録の保管
6. FDAは動物及び獣医学イノベーションセンターとの提携を発表する
7. FDA In Your Day:食品安全
8. リコール情報
【NTP】
1. ICCVAM隔年報告書2022-2023
【HHS】
1. 葉酸啓発週間にあたりハビエル・ベセラ保健福祉省長官から食品製造業者および小売業者への書簡
【EPA】
1. EPAはクロルピリホス1製品に関する既存の在庫規定の更新を発表
2. EPA、新規抗菌有効成分グリセロールギ酸エステルの登録を提案
3. EPA、動物実験削減戦略の一環として報告書を発表
4. 現在入手可能:全国鉛中毒予防週間資料
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【APVMA】
1. ABC報道の訂正:パラコートに関するAPVMAの規制決定案
2. ダイアジノン再審査に関する最終規制決定
【NZEPA】
1. ニュージーランドEPA、除草剤DCPAについて次のステップへ
【香港政府ニュース】
1. ニュースレター
2. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 秋夕法事用食品の一斉点検の結果、違反業者63カ所を摘発・措置
3. 免疫力増進、疾病治療効果の低下など秋夕連休を狙った不当広告194件を摘発
4. 畜産物原料の用途変更時に検査費用と時間が節減されます
5. 食品医薬品の公共データを活用した今年最高のアイデアは?
【SFA】
1. プレスリリース
【その他】
・ProMED-mail1件
別添
【BfR】
1. 焦がさず黄金色に:食品中のアクリルアミドについての Q&A
2. アクリルアミドは体内でも産生される
3. BfR MEAL study:野菜チップスに高濃度のアクリルアミドを検出
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.20(2024.10.02)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202420c.pdf