国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。イギリスでは、2021年1月〜2月に新規食品としてのカンナビジオール(CBD)の認可申請が2件あった。米国FDAは現代化したGMP(CGMP)を産業界向けガイダンス21CFR Part117に明記した。国際がん研究機関(IARC)のモノグラフ第134巻のうちアスパルテームに関するパートが入手可能となった。
注目記事
【FSA】リスク評価:フードサプリメント等に使用される新規食品としてのカンナビジオール
2021年1—2月、新規食品としてのカンナビジオール(CBD)の認可申請が2件あった。そのリスク評価では、以前に英国食品基準庁(FSA)が発表した暫定的な一日摂取許容量(ADI)10mg/日が考慮された。FSAとスコットランド食品基準局(FSS)が評価を実施するにあたり、新規食品及びプロセスに関する諮問委員会(ACNFP)は、申請者から提供された書類と補足情報のレビューをFSAから依頼された。そのACNFPの助言に基づき、FSAとFSSは、新規食品は提案された使用条件下で安全であり、ヒトの健康に対する安全性リスクはないと結論づけた。
※ポイント:EUからの離脱にともない、英国は新規食品の認可及びリスク評価も独自に実施するようになりました。大麻草(Cannabis sativa L.)の成分であるCBDの規制上の扱い方は各国で対応すべき課題の一つになっています。その中で、英国FSAは他国に先駆けて、CBDの摂取についてADIを導出し、今回、新規食品の認可申請に関するリスク評価について結論を出しました。EUでも非常に多数のCBD製品について新規食品の認可申請がなされ欧州食品安全機関(EFSA)が評価を実施していますが、2022年時点のEFSAの声明では、データギャップと不確実性が多いことから、食品としてのCBD摂取についてADIなどの指標値は示さず、新規食品としてのCBDの安全性は現時点では立証できないとしています。
【FDA】食品及びダイエタリーサプリメントの現行の適正製造規範(CGMP)
現行の適正製造規範(CGMP)は、食品の安全性を保証する。一般に、個人の衛生規範、食品工場の設計と建設、工場敷地の維持管理、工場設備、衛生作業、施設の衛生管理、食品製造中の生産と工程管理などの問題に対処する。
米国食品医薬品局(FDA)は、2015年9月、食品安全近代化法(FSMA)の一環であるハザード分析及びリスクに基づいた予防的管理に関する新要件も合わせ、現代化したCGMPを21CFR Part117に新たに明記した。加えて特定の種類の食品に特化したCGMPも発表しており、その一つにダイエタリーサプリメントに関するCGMP(21CFR Part111)がある。
※ポイント:消費者庁の機能性表示食品をめぐる検討会において、製品の製造及び品質にかかわる制度のあり方が議論されています。サプリメントに関するGMPの一例として、米国FDAのCGMPがありますので、ご参考にしてください。
【WHO】IARCモノグラフ第134巻:アスパルテームのモノグラフが入手可能に
国際がん研究機関(IARC)モノグラフ第134巻(アスパルテーム、メチルオイゲノール、イソオイゲノール)のうち、アスパルテームに関するモノグラフのみ先行してオンラインで入手可能となった。
(注目記事のまとめ:安全情報部第三室)
目次
【WHO】
1. 出版物
2. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. 食料危機に関する世界報告書:59カ国において急性飢餓が依然高水準にあり、5人 に
1人が緊急対策を必要としている2. FAO が世界食料フォーラム2024を開催3. Codex
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【ECHA】
1.6価クロム規制案、対象物質拡大へ
【EFSA】
1. ワンヘルス:EU の5つの機関が発表した活動のための共同の枠組 み2.「Safe2Eat」2024キャンペーン:欧州全域の消費者に力を与える3. Bernhard Url 氏を EFSA の長官代理に任命
4. 食品添加物関連5. 食品酵素関連6. 遺伝子組換え関連7. 香料グループ評価8. 飼料添加物関連
【FSA】
1. リスク評価
【FSS】
1. 食品事故防止戦略計画2024-27
2. フードフレーションはスコットランドの財政に引き続き影響を与える
【BfR】
1. ビーガンやベジタリアンの食事は健康にどのような影響を与えるのか?
2. 大陸を越えて食品をより安全に
【ANSES】
1. 子供の不慮の重篤な中毒事例の最も一般的な原因は何?
2. 家庭用品は元の容器に入れておくこと!
【FDA】
1. 食品及びダイエタリーサプリメントの現行の適正製造規範(CGMP)2. FDA は動物のゲノム改変へのアプローチを明確化する
3. EPA、FDA、USDA がバイオテクノロジーに関する共同規制計画を発行する4. FDA は動物用飼料指令をさらに明確にするためのガイダンスを最終化する
5. FDA は物理的検査なしの即時留置(DWPE)対象水産物のサンプリング推奨ガイダン ス
案を発表
6. パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)
7. 中小企業向けコンプライアンスガイド:食品への部分水素添加油の使用の取り消し8. 警告文書
【EPA】
1. バイデン-ハリス政権、鉛中毒から子供たちを守るための大きな進展を報告
2. バイデン-ハリス政権、米国への投資アジェンダの一環として、安全な飲料水を促進するための鉛管交換に30億ドルを拠出すると発表
【USDA】
1. バイデン-ハリス政権、子供の栄養強化のための学校給食新規格を発表
【NIH】
1. ファクトシート
【FSANZ】
1. 食品基準通知
【TGA】
1. 安全性助言
【MPI】
1. 最新の報告書はリコールシステムが機能していることを強調する
【香港政府ニュース】1. ニュースレター2. 食中毒警告
3. 違反情報4. リコール情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食薬処、食品栄養成分統合データベースの構築完了、栄養成分情報の持続拡大3. 単身世帯の食品添加物の摂取は安全な水準
4. 海外直輸入食品の国内搬入阻止原料・成分を整備5. 新素材食品の原料生産現場を訪問
6. 食品医薬品安全処、消費期限表示制度普及のための現場点検
7. 食薬処、第3期食医薬消費者監視団コンシューマーアイズ発足式を開催
8. 食薬処、第1期「ジキリポーター」募集
【SFA】
1. リコール情報
【HSA】
1. HSA 警告:ステロイドを含む強力な医薬品成分を含む3つの製品が発見された; 消費者2人が有害事象を経験した
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・ProMED-mail2件
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.10(2024.05.15)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202410c.pdf