国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州食品安全機関(EFSA)は、生鮮および冷凍の果物・野菜・ハーブの収穫後の取り扱いおよび加工に使用する水に関連する微生物ハザードへの対処について報告している。
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【欧州】生鮮青果類に使用する水に関連する微生物ハザード
欧州食品安全機関(EFSA: European Food Safety Authority)発。生鮮および冷凍の果物・野菜・ハーブ(ffFVH:fresh and frozen fruit, vegetables and herbs)の収穫後の取り扱いおよび加工に使用される水の汚染は世界的な問題である。このような水に関連する特に重要な微生物ハザードはリステリア(Listeria monocytogenes)、サルモネラ属菌、ヒト病原性大腸菌および腸管感染ウイルスであり、これらは欧州連合(EU)域内でffFVHによって発生する多数のアウトブレイクに関連している。
収穫後の取り扱い時および加工時に生じる加工用水の汚染(微生物ハザードの蓄積など)は複数の因子の影響を受け、それらは、加工されるFVHの種類と汚染状況、取り扱い・加工に要する時間、農産物と水の間で起こる微生物の両方向への移動などである。
食品事業者は、ffFVHの安全性を確保するために加工用水の良好な微生物学的品質を維持することが重要であり、そのためには、水質管理計画および水質管理システムの導入に関する適正製造規範(GMP)および適正衛生規範(GHP)が不可欠である。
衛生管理の方法として、インフラの技術管理、従業員の研修、収穫後に使用される加工用水の冷却などが挙げられる。また、加工用水の良好な微生物学的品質を維持するためには、水の消毒処理や補充などの汚染防止対策も考えられる。
一般的な消毒剤として、塩素を主成分とする消毒剤や過酢酸が報告されている。しかし、EU域内で現在使用されている消毒剤のうち、産業条件下で有効性を示すエビデンスが存在するのは、塩素を主成分とする消毒剤のみである。水の消毒処理は、評価・作業内容のモニタリング・検証などの適切な水質管理対策を実施したうえで行うべきである。
作業内容のモニタリングを行う際は、加工・製品の加工パラメータに関するリアルタイムのデータ、水質および水の消毒処理に関するデータが必要である。また、評価・作業内容のモニタリング・検証に関する食品事業者向けの詳細なガイダンスが必要である。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
目次
【世界保健機関(WHO)】
1. 国際連合食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)および国際獣疫事務局(WOAH(旧称:OIE))が新たなオンライン研修プログラムの提供を開始
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小規模飼育の家禽類との接触に関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Braenderup、S. Enteritidis、S. Indiana、S. Infantis、S. Mbandaka、S. Typhimurium)感染アウトブレイク(2023年10月19日付最終更新)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. コレラ-2021年次疫学報告書
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 生鮮および冷凍の果物・野菜・ハーブ(ffFVH)の収穫後の取り扱いおよび加工に使用される水に関連する微生物ハザード-Part1(アウトブレイクデータの解析、文献レビュー、関係者への調査)
【英国保健安全保障局(UK HSA)】
1. 英国における大腸菌の菌血症に関する年次データ(2013〜2023年)
【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(13)(12)(11)
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.08(2024.04.17)
- https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202408m.pdf