日本フードサービス協会(JF)は2023年10月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数230、店舗数36,594店=99.2%)合計の売上高は108.8%と拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は103.6%と前年同月を上回った。
売上高はすべての業種・業態で前年を上回ったが、全体の上昇幅は9月度より小さい。パブ・ビアホールパブ、喫茶、和風ファストフード、麺類ファストフード、その他ファストフード、中華ファミリーレストラン、洋風ファミリーレストラン、和風ファミリーレストラン、ディナーレストランは2桁増。
客数は持ち帰り米飯/回転寿司、洋風ファストフード、焼肉ファミリーレストラン、が前年を下回った。客単価はすべての業種・業態で上昇した。パブ/居酒屋のグループおよびディナーレストランは店舗数減少が目立つ。とくに居酒屋は店舗数が1割程度減少。
JFによる概況は以下のとおり。
10月は天候に恵まれ晴れの日が多く、人流の回復傾向が続いている。円安の影響で訪日外国人客数がコロナ禍以降で初めて19年比を上回るなど、インバウンド需要は引き続き旺盛で、外食全体の売上は108.8%となった。19年比では116.6%と大幅増に見えるが、これは19年10月に消費増税や大型台風の直撃で売上が振るわなかったことが背景にある。また、継続的な物価高から引き続き価格改定の動きがある一方、消費者の節約志向に合わせた価格訴求型のメニュー施策も一部では見られた。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2023年10月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=230) | (N=36,594) | 108.8% | 99.2% | 103.6% | 105.0% | |
ファストフード | 合計 | (N=58) | (N=21,383) | 107.3% | 100.2% | 101.9% | 105.3% |
洋風 | (N=20) | (N=6,394) | 104.7% | 100.9% | 98.1% | 106.7% | |
和風 | (N=14) | (N=5,110) | 113.2% | 101.0% | 108.0% | 104.8% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,147) | 112.2% | 99.2% | 104.6% | 107.3% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,310) | 102.5% | 99.1% | 97.3% | 105.4% | |
その他 | (N=9) | (N=2,422) | 111.9% | 100.3% | 106.1% | 105.5% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=68) | (N=10,317) | 110.4% | 99.1% | 107.3% | 102.9% |
洋風 | (N=34) | (N=5,171) | 111.3% | 98.3% | 108.8% | 102.3% | |
和風 | (N=31) | (N=2,519) | 110.8% | 98.3% | 104.4% | 106.1% | |
中華 | (N=12) | (N=1,195) | 111.7% | 101.4% | 108.6% | 102.8% | |
焼肉 | (N=18) | (N=1,432) | 105.1% | 101.2% | 98.4% | 106.8% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=1,819) | 112.0% | 91.4% | 107.2% | 104.5% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=386) | 118.1% | 94.6% | 111.3% | 106.1% | |
居酒屋 | (N=29) | (N=1,433) | 109.1% | 90.5% | 104.7% | 104.2% | |
ディナーレストラン(計) | (N=26) | (N=939) | 110.7% | 93.9% | 107.2% | 103.2% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=1,897) | 115.3% | 100.2% | 105.9% | 108.8% | |
その他(計) | (N=19) | (N=239) | 102.4% | 99.6% | 101.0% | 101.4% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は58、店舗数は21,383店(100.2%)。客単価は際立って上昇したが、客数は101.9%と前年同月を上回った。売上高は107.3%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,394店=100.9%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.1%と前年同月を下回った。売上高は104.7%と前年同月を上回った。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,110店=101.0%)は、客単価は上昇したが、客数は108.0%と増加。売上高は113.2%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,147店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.6%と前年同月を上回った。売上高は112.2%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,310店=99.1%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.3%と前年同月を下回った。売上高は102.5%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,422店=100.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.1%と増加。売上高は111.9%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は68、店舗数は10,317店(99.1%)。客単価は上昇したが、客数は107.3%と増加。売上高は110.4%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数5,171店=98.3%)は、客単価は上昇したが、客数は108.8%と増加。売上高は111.3%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,519店=98.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.4%と前年同月を上回った。売上高は110.8%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数12、店舗数1,195店=101.4%)は、客単価は上昇したが、客数は108.6%と増加。売上高は111.7%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数18、店舗数1,432店=101.2%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.4%と前年同月を下回った。売上高は105.1%と拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は1,819店(91.4%)。客単価は上昇したが、客数は107.2%と増加。売上高は112.0%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数386店=94.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は111.3%と2桁の大幅増。売上高は118.1%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数29、店舗数1,433店=90.5%)は、客単価は上昇したが、客数は104.7%と前年同月を上回った。売上高は109.1%と拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数26、店舗数939店=93.9%)は、客単価は上昇したが、客数は107.2%と増加。売上高は110.7%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数1,897店=100.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.9%と増加。売上高は115.3%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数239店=99.6%)は、客単価は上昇したが、客数は101.0%と前年同月を上回った。売上高は102.4%と前年同月を上回った。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html