日本フードサービス協会(JF)は2023年1月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数236、店舗数36,919店=98.9%)合計の売上高は115.3%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は106.7%と増加。
すべての業種・業態の売上高が前年同月比プラスで、一部(持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード、その他ファストフード、和風ファストフード)を除くほとんどの業種・業態の2桁増となった。客数もその他ファストフードを除くすべての業種・業態で前年同月比プラス。
客単価は全業種・業態で前年同月比プラスで、一部(持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード、焼肉ファミリーレストラン、洋風ファミリーレストラン)を除くほとんどの業種・業態で5%以上の上昇となっている。
JFによる概況は以下のとおり。
1 月は、昨年のような営業制限が無く年始需要が好調で、外食全体の売上は115.3%となった。コロナ第8波は上旬にピークを迎えたが、外食への影響は比較的少なく、19年比の売上は104.2%と、コロナ前を上回った。だが、これまでのJF調査結果から推定すると、外食全体の客数は19年比で90%程度にとどまっている。現在の売上は原料高と光熱費の高騰等に起因する客単価上昇の結果と考えられ、外食企業の経営状況は変わらず厳しい。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2023年1月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=236) | (N=36,919) | 115.3% | 98.9% | 106.7% | 108.1% | |
ファストフード | 合計 | (N=58) | (N=21,320) | 110.2% | 99.7% | 103.5% | 106.4% |
洋風 | (N=20) | (N=6,311) | 111.3% | 100.9% | 104.3% | 106.7% | |
和風 | (N=17) | (N=5,073) | 109.6% | 99.4% | 103.6% | 105.8% | |
麺類 | (N=21) | (N=3,180) | 117.4% | 99.0% | 105.8% | 110.9% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,360) | 105.1% | 99.2% | 100.9% | 104.1% | |
その他 | (N=8) | (N=2,396) | 105.6% | 99.5% | 97.5% | 108.3% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=69) | (N=10,498) | 119.6% | 98.5% | 112.6% | 106.2% |
洋風 | (N=35) | (N=5,224) | 117.7% | 97.9% | 112.2% | 104.9% | |
和風 | (N=31) | (N=2,516) | 123.2% | 98.6% | 115.2% | 107.0% | |
中華 | (N=14) | (N=1,377) | 118.2% | 100.6% | 109.6% | 107.8% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,381) | 122.7% | 98.2% | 117.3% | 104.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=34) | (N=1,892) | 159.0% | 92.1% | 142.0% | 112.0% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=399) | 178.9% | 98.8% | 150.0% | 119.3% | |
居酒屋 | (N=28) | (N=1,493) | 150.9% | 90.5% | 137.8% | 109.5% | |
ディナーレストラン(計) | (N=31) | (N=1,065) | 134.0% | 101.1% | 127.3% | 105.2% | |
喫茶(計) | (N=23) | (N=1,898) | 119.6% | 99.1% | 110.2% | 108.5% | |
その他(計) | (N=21) | (N=246) | 118.5% | 95.7% | 108.8% | 108.9% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は58、店舗数は21,320店(99.7%)。客単価は際立って上昇したが、客数は103.5%と前年同月を上回った。売上高は110.2%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,311店=100.9%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.3%と前年同月を上回った。売上高は111.3%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数17、店舗数5,073店=99.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.6%と前年同月を上回った。売上高は109.6%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数21、店舗数3,180店=99.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は105.8%と増加。売上高は117.4%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,360店=99.2%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。売上高は105.1%と拡大。
その他ファストフード(事業社数8、店舗数2,396店=99.5%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.5%と前年同月を下回った。売上高は105.6%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は69、店舗数は10,498店(98.5%)。客単価は際立って上昇したが、客数は112.6%と2桁の大幅増。売上高は119.6%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数35、店舗数5,224店=97.9%)は、客単価は上昇したが、客数は112.2%と2桁の大幅増。売上高は117.7%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,516店=98.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は115.2%と2桁の大幅増。売上高は123.2%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,377店=100.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は109.6%と増加。売上高は118.2%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,381店=98.2%)は、客単価は上昇したが、客数は117.3%と2桁の大幅増。売上高は122.7%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は34、店舗数は1,892店(92.1%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は142.0%と2桁の大幅増。売上高は159.0%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数399店=98.8%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は150.0%と2桁の大幅増。売上高は178.9%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数28、店舗数1,493店=90.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は137.8%と2桁の大幅増。売上高は150.9%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数31、店舗数1,065店=101.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は127.3%と2桁の大幅増。売上高は134.0%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数23、店舗数1,898店=99.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は110.2%と2桁の大幅増。売上高は119.6%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数21、店舗数246店=95.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は108.8%と増加。売上高は118.5%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html