じりじりと暑い日が続いていますね。日中に自転車を転がすのはちょっと勇気がいるくらい。今の季節は水分補給と日焼け止めも常備していたいもの。自転車を走行してても、急激な日焼けがくることはありますし、なにより熱中症や日射病が怖いですから。ちょっとフラついたら、コンビニなどに寄ってこまめな休憩を取るのも大切なこと。それから、やせ我慢せずにクーラーも賢く利用しましょう~。
社交的凝り性が伝える本場アメリカの味
飯田橋・神楽坂近辺の人間たちの中で、秘かな話題になっているのが、神楽坂 赤木神社前に出来た「スーパーホットドッグ」。
20cmを超えるその大きさと、ハイパーボリューム、そして、盛大なチーズのトッピングが注目されている。最近は「CARNEYA」の高山シェフも購入し、その迫力をツイッターで伝えていたところ。
その秘密をさぐってみよう。
オーナー兼店長の角尾敦志さん(42)は学生時代から海外旅行とカメラに熱中し、世界中を旅して研鑽を積んだ。飲食店専門に仕事をしてきたわけではなく、コンサルティングやフォトグラファーとしての仕事に従事し、とにかく凝り性で社交的な性格で成功してきた。
ところで東京・西荻窪には「西荻昼市」というイベントがある。地元の夜のお店が昼に営業するというもので、2003年から始まった。この「ヒルイチ」に、角尾さんがアメリカに旅行した際、とくに印象に残ったホットドッグを自分流にアレンジして出店したところ、あれよあれよと大行列に。「これはいけるかも!」と、昨年10月に、下高井戸で日曜のみ営業の週一のホットドッグ店を開くとこれも評判に。
この勢いで、今年6月10日に3カ月限定という条件ながら、神楽坂 赤木神社前に「スーパーホットドッグ」を開店した次第。
人の縁が支える味とボリューム
壁には、今までの世界旅行で撮った写真を展示して、「料理人だけじゃない!」という風情を醸し出している店内。店舗はほぼすべて、角尾さん自らがリフォームしたというから驚きだ。赤と白を生かしたインテリアもセンスよく、タダモノではないと感じさせるセンス。
「ここは神社の前の参道ですからね、紅白の寿がいいと思ってんですよ」と笑う角尾さん。「僕はね、人の縁と運がいいんですよ」とも。
この「スーパーホットドッグ」も、その“人の縁”で出来たものだと。
まず、「ホットドッグを作るのであれば、“サプライズ”と“おいしさ”がいちばん大事だ考えた角尾さん。ソーセージの大きさを、ド~ンとアメリカンサイズの22cm(約8インチ)にしようと考えた。
これのために、テキサスからマシンを取り寄せたのだけれど、「さて?」と困ったのが、この大きさのソーセージが収まる大きさのバンズ。アメリカンサイズのホットドッグバンズなんて、普通のお店は扱っていない。
そこで、出身の鳥取市で有名なベーカリー「コションドール」を営む友人に相談。すると、喜んで特注に応じてくれることになったという。
そして、そのバンズに入れる、極太ソーセージも、人の縁で成立した。西荻窪の知り合いの肉屋さんが、ブランド豚「ひたち豚」を使用し、皮は豚腸を使い、高級スパイスもたっぷり使った渾身の“極旨極太ソーセージ”を提供してくれることになったという。
さらに“サプライズ”の最後の仕上げ、びっくりするぐらい山盛りにふりかけるチーズ! これは、シャープ系のチェダーチーズ。ニューヨークでホットドッグにチーズをトッピングしていたのを見て思いついたアイデアだという。
そうそう。忘れてはいけない、影の主役、ソーセージの下に敷かれた、たっぷりの千切りのゆでキャベツ! これはソーセージのゆで汁を使って、粗い千切りのキャベツをゆでたものだというが、これが実にいいアクセントになっているのだ。
これらが全部一つにまとまって600円! というから驚きだ。
大きさとチーズの威容にビックリ眼
今回のインタビューは、ランチタイムを外したのにもかかわらず、お話を聞いている間もひっきりなしにお客が訪れる。
注文を受けてからソーセージを焼くスタイルだから、出来上がりには少し時間がかかるので、ファストフード的に考えて来店した初めてのお客さんは、待ち時間をちょっと意外に感じている様子もある。ところが、出来上がったホットドッグを見て、その大きさと、チーズてんこ盛りの威容に、誰しも驚きの表情を浮かべるのが、脇で見ていて面白い。
テイクアウトもできるのだけれど、できれば目の前で焼かれて出来上がったものをその場でかぶりつきたいところ。
ドリンクはビールもあるが、アップルタイザーやラムネなど、ちょっと目線を変えたソフトドリンクが充実しているのもうれしいところ。ソフトドリンクは200円という値段も優しい。
さて、そろそろこちらも注文して、いただいてみることにする。
どーん!
さすがの威容。
かぶりつくと、まず、大量にかかているチェダーチーズがあるわけだけれど、これが案外邪魔せず、まろやかな口当たりになり、そのまま、ソーセージの表皮にたどり着く。
ザクッ! ドバッ! そして笑顔~
ここで、ザクッ! と食い破ると、ドバッ! と肉汁があふれてくる!
それが、下のキャベツと合わさって実に味わい深い味になり、最後に自家製ケチャップと自家製マスタードでくるまれ、味付けられて、キツくない酸味とケチャップのまろやかさが最上になったところで、その全体をバンズがまとめて、噛み切ることになる。
そのときには、みんな笑顔に。
パクッ! トロッ! ザクッ! フワッ! もんぐり!!
と豪快に擬音が出そうな食べっぷりになる。
もちろん、器や包装紙から溢れんばかりに大量に載っているチーズとホットドッグの威容だから、こぼさないように、食べ方に注意が必要。そんな工夫をするのも、楽しいところだ。
思いっ切りかぶりつくように食べ進めていると、目の前のホットドッグ以外、他のことはどんどん考えなくなる。
そして、これだけ量が多いのに、食べていっても、飽きないのがこちらのホットドッグの特徴。ぶっといソーセージや大量のチーズトッピングが、“サプライズ”のためだけではなく、きちんと統一感を考えられながら作られている証拠だ。
だから、食べ終わって、一息つくいたとき、その味にも量にも、大満足してしまうのだ。
こんな素敵なお店も、9月10日までの期間限定開店。
角尾さん、その後のことは「いろいろ考えている」とは言うが、この場所で営業しているのは、正真正銘その日までなので、是非、一度、食べておいてほしい。
サプライズと満ち足りた気分の両方を味わうこと、請け合いである。
●「スーパーホットドッグ」神楽坂店
東京都新宿区神楽坂6丁目34-1
営業時間:11:00~14:00、17:00~20:00
定休日:月曜日・木曜日
※2012年9月10日までの期間限定店です。
公式ツイッター http://twitter.com/superhotdog777
※2013年2月下記に新装オープンしたとのことです。
東京都港区芝5-3-5
営業時間:11:00~23:00(L.O.22:45)