ロケ先からロケ先へ、公演先から公演先へ――ここかと思えばまたあちらと移動し続けることがいわば芸能人の宿命。そこで発生する「寝る時間がな～い」というつらさ以上のお悩みが、「弁当続き、外食続きで、食事バランス偏りまくり」ということでした。そこで、芸能人のみなさんは防衛に立ち上がるわけなんです。
「現代版『講談師、見てきたような嘘を言い』ですかね」
余談ですが、制作スタッフもご当地でおいしいものにありつくということが、ム・カ・シはありました。
映画もそうですが、テレビのロケ（ロケーション撮影＝セットではなく現地での撮影）をするにはロケハン（Location huntingの略ですが、たぶん和製英語ですね）というものをします。ロケに適した場所を見つけたり、そこを下見したりすることです。旅番組などでは必須なわけです。
このロケハンに、ちょっと前までは、構成作家もときどき同行していました。さらにもっと前までは、構成作家が同行するのは当然でした（らしいです）。でも、今は専らディレクターさんが一人で行って、構成作家はその報告を聞いたりするのみ！ さらーに、もっと低予算だとディレクターもロケハンなしで、本番で初めて訪れることも多いです。実は筆者も多くの旅番組にかかわり、ご当地を説明するナレーションを膨大に書いてきましたが、その9割以上は、訪ねたいことがな～い！！（苦笑）
あ、愚痴でしょうか。ま、筆者はテレビ界の末端で生きているのでこうした不遇な立場（！？）でやっておりますが、もちろん今でも放送作家もロケハンしている番組もありますので、そのあたりは誤解なきようにお願いいたします。やっぱり、番組の制作費によって作り上げるプロセスの手間もオカネもさまざまなのでありますっ！ え？ これも愚痴？
いえいえ、またまたお話がそれました。芸能人の食事のお話を続けましょう。
「芸能人は“チョイ足し”で対抗するんですよ」
旅というもの、多くの人にとっては、年に1～2回の大イベントでしょう。ところが、芸能人の場合は“日常”になっていることも多いわけです。そうなると、睡眠時間もさることながら食も乱れるわけです。
そういうことから、芸能人の“チョイ足し文化”が発生するのです！ つまり、弁当だったり外食だったりの食事のときに、“プラスの一品”として加えられるものをいつも持ち歩いている芸能人がけっこう多いのです。たとえば、小魚やシソなどが入った手作りふりかけだったり、漬け物だったり。イリコをポイッと味噌汁に入れたり、などなど。ゴマを持ち歩いている人もいました。ラーメン屋さんでよく見かける、ミル付きの容器で。
こういうものは、一食ごとに見れば“小さな一振り”ですが、それを続けるとだいぶ違うんだろうなぁとは思いました。なんせ毎日のことですからねぇ。
「外食で食のバランスが乱れる」という声はよく聞きますよね。これ、個人的には、とくに外食やお弁当で摂りにくいのはカルシウムじゃないかなぁ～と思ってます。最近の外食や弁当メニューって、野菜料理が入っていたり揚げ物を抑えたり、それなりに栄養に気が配られるようになったとは感じますが、カルシウムが豊富にとれるイメージのものはあまり見ないなぁと。だから小魚が入ったふりかけなんかは、とっても意味があるのではないかと思いました。
ま、このあたりは栄養士さんの意見もうかがってみたいところですが。
「いろいろな種類のサプリもよくご存知なんです」
さて、こんな風に忙しい中の食生活で“チョイ足し文化”が密かに発達している芸能界。ふりかけなどのチョイ足しのほかに、手軽に利用できるサプリにも、やはり関心が向いていきます。サプリや健康食品を自分にかかわる問題ととらえてアンテナを張っていて、けっこういろんなものを知ってるゾという芸能人は多いです！
とは言え、こういうのも健康番組が乱立するようになってからのような気がしています。みなさんも、DHAとかグルコサミンとかフコイダンとか、昔から知っていたわけではないでしょう？ ちょっと前までは、耳にすらしたことがなかったはずです。でも、一般のみなさんも芸能人も、多くの人が知るところになったというのは、これを扱う健康番組とかCMなどの影響があったはずです。
どんな風に影響したのかというお話は、また次回……。
