ここ数回、通販によく出演する専門家である、医学博士のことについて書いてきました。しかし、医学博士=医師でなく、こんな専門家も通販には登場します……。
「『ビューティアドバイザー』って人、いますよね?」
とくに美容をうたう健康食品や化粧品の通販でときどき登場するのが「ビューティアドバイザー」なる人々。ほかにも、「アンチエイジング研究家」とか「エイジングプランナー」とかさまざまなナゾの肩書があります。
この方々、いったい何者なのかというと……、“そういう肩書きを自ら名乗っている人”だったり、さらには! 通販番組に出演することが決まったとき、そういう肩書きを“作る”ことがあるのです。
そう、ひっくるめて言うと、「とくに資格などがあるわけじゃないけど、その方面に詳しい人」、ということです。
「テレビはキャッチフレーズ付けるのが好きなんですョ」
そういう肩書きを作るのは、一言にまとめてその人を表現するためです。実は、こういうことはテレビではよくあることなんですね。「○○王子」しかり、さらによく民放のバレーボールでは当たり前のようになっている、一人ひとりへのあだ名……たとえば“エースアタッカー・プリセス○○”とか“アジアの頭脳・セッター、△△”とか。
テレビ界はャッチフレーズや別名がお好きのようです。
スポーツ中継などでは、この押しつけられる肩書きに辟易している視聴者の方も多いと思いますが、何でこんなことをするのかと言うと、“短時間でその人に興味をもってもらうため”、なんですね。
テレビ番組というもの、リモコンでパッパッとザッピングされる宿命にあるもの。そうならないように、一発で「この人はこんな人なんだよ!」と感じさせる道具として、肩書きやキャッチフレーズを多用しようとするわけです。
「国民の生活がナンチャラ」とか名乗っているのも、似たようなもんと言えば似たようなもん、ですかね
「本屋さんに行けば、どんだけいるんだってわかります」
話を「ビューティアドバイザー」などの方々に戻しましょう。
まぁこのきわめてファジィな職業(というか肩書き?)ですが、実はこれが、けっこーいる! 書店で美容のコーナーに行ってみてください、その類の方々の本がまぁたくさんあることあること!
いったいどんな経歴の人たちがビューティをアドバイスしているかと言うと、大きくは“タレント系”“スポーツ系”“その他”と分けられる感じかと思います。
“タレント系”は、もともと芸能界でモデルや女優をやってた方々ですね。「一時期有名だった人」から、「スゴク人気だったアイドルグループ……のセンターでなくサブ」とか、清く正しく美しく振る舞うことを旨とする歌劇団の出身の方、とかです。
“スポーツ系”は、たとえば新体操だったり、バレエだったりということをやってきて、そのノウハウを生かして、いかにして美と若さを保つか、などを説くスタイル。ダイエットのハウツーを解説する人も多いですね。“バレエではじめるカンタンシェイプアップ”とかいう感じで。
「“美”については、誰だって何だって言えるんですよ」
“その他”というのは、まさに雑多にその他……。でも前職に、それなりの美を想起させる職業の人などがちらほら見られますね。たとえばキャビンアテンダントとか……。そういう方々が年齢を重ねるごとに美やアンチエイジングに興味を持ち、自分も美を保って、なぜそういられるか……などを説いていたり。
しかし、全くの「主婦出身」という方もいます。この場合、「美しく大変身した」という経験――「元98キロだった女性が今はこんなにスリムに美しく!」という強烈な実例を持っていたりすることも多いですね。その理由や体験談が商売道具であるというわけです。
で、この類の「キレイ本」なのですが、書店に乱立するのもわかる話なんですね。というのも、「若さの秘訣を」という話題については、誰でも何かしらは言えるわけです。だから、出版社はとっかえひっかえどっかの誰かをつかまえて来て、流行の言葉などをタイトルに冠して、また何か出版したゾということは次々と起こるのですねぇ。
それゆえ、その中から「ヒット」を打ち、人気者になる、ということはなかなか難しい世界でもあります。
この“ビューティな専門家の方々”については、さらに次回……。