似たようなもの多くない!?

健康食品をさまざま見比べていると、「以前どこかで見た商品とものすごく似てるなぁ」ということありませんか? それはもしかしたら!「同じ」かもしれないのです!

「アレと似てますよね?」

 商品名が違うけど中身は同じってどういうこと? と言うと“OEM生産”というものです。電化製品や車でもありますよね。「モノは一緒/売る会社が違う」あるいは「モノの基礎は一緒/売る会社が基礎にちょっとプラスして売る」というものです。健康食品にもありますよ! 中でも「原材料に外国の産物を使っているサプリ」にOEMが比較的多いような気がします。調達から製造すべてを一社でやるのは、やはり手間がかかるのでしょう。しかし、OEMでも最後の「ちょっと工夫」をプラスしたりはしているわけです。

 ちなみに前回までお話した黒酢はどうなのかと言うと、これのOEMは少数派ですね。と言うのも、黒酢は激戦商品なので、メーカーごとに調達先の個性を訴えて争っているのです。

「産地の映像、どんなカタチで出てました?」

 ある健康食品が他社とも共通のOEM生産のものなのか、それともその会社独自で材料調達から行っているのかを見分けるポイントが「産地や工場の出方」です。OEM生産のものは、その現場を撮影しにくいんですよ。なぜなら同じものを他社にも供給しているわけですからね。つまり「この健康食品は、ドコドコの材料を使って、こうした工場で~」と映像と共に紹介しにくい。

 では、産地や工場が出ていれば独自商品なのかと言うと、またそうとも言いきれないのです。なぜならOEM提供をしている製造メーカーが「ここの部分は映していいですよ。他社にもそうしてもらっていますから」という場合もあるのですね。

 他社と映像がかぶってでこ産地や製造現場を見せるようになったのは、その映像で「安心・安全を伝えたい」という番組側のニーズからという事情があります。

「顔がものを言うんですね」

 ここまで読んで「結局OEMかどうか見分けられないじゃん!」と思う方も多いかもしれませんが、有力なポイントが一つ――「工場の人・産地の人が顔出ししていると、独自調達・独自製造の可能性はかなり高い」です。

 たとえば青汁のケールを作っている生産者が顔出して「こうして愛情込めて育ててますよ~」とか、工場の人が「機械と目と両方でチェックして~」など語っている場合は、他社と共通の可能性のあるOEMではなく独自のものである場合がほとんどだと思います。

 なぜならOEMでいくつもの社に提供しているのに、一社だけに出演してあげるというのは生産者や工場の方はできませんからね。だからと言ってA社にもB社にもその人が出たら、視聴者が「あれ? この人違う会社の商品でも出てたじゃない」となるのでおかしくなります。

 でもOEMだからこそ、お値段が安い! というメリットもあったりしまして……そのあたりは買う人の考え方によるということになりますね。

 ちなみに健康食品ではないですが、OEM生産の“万能用洗剤”(何でも落としまっせ~という洗剤。いろいろありますよね~)の一つでは、商品名を付ける会議に参加したことも。人気があるものは誰かが真似する――これが通販の常だったりします!

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About 森畑たけし 65 Articles
通販番組制作担当者 もりはた・たけし 1975年生まれ。通常のテレビ番組と通販番組を手がけて12年。ひと昔前、一段下に見られていた感のある通販番組とその市場の成長に驚くばかり。同時に「やっててよかった~」とありがたい食い扶持があることにホッ……。しかし、膨大なグルメ情報、健康情報、お得情報などを発信し続けていながら、本人は全く活用できていない。自分が通販アイテムを買って続けるなら髪関係だろうかと、毛根と〆切が気になる人。