これではパンも売れまい。流通業は米食キャンペーンなどに知恵をしぼるべきだろう
食の損得感情

バター不足でもなおマーガリンを買わない理由

お困りの人も多いと思うが、バターが手に入らないのに閉口している。駅前のスーパーでも、車で行くスーパーでも品切れ。冷蔵ショーケースの中はからっぽ。または、マーガリンが嫌と言うほど積み上がっている。バターが並ぶはずのスペースには、次の入荷は何曜日という張り紙だけ下がっているが、その当日もお客が殺到して、バターはあっという間に品切れとなるはずだ。その人だかりに目を血走らせて参加することを想像するだけで具 […]
実験に使われた色素を入れたオレンジジュース(ニュージーランド・ESR、Peter Cressey博士提供)
うねやま研究室

子どもの多動と食用着色料の関連を示唆する研究をEFSAが評価

2008年3月14日、欧州食品安全機関(EFSA)が、食用色素と安息香酸ナトリウムによる子どもの行動への影響に関する論文についての評価を終了し、プレスリリースを行いました(EFSAは食品添加物と子どもの行動に関するサウサンプトン研究を評価する、McCann らのある種の色素と安息香酸ナトリウムの子どもの行動に与える影響に関する研究の評価結果―AFCパネルの意見)。内容についての日本語での概要はこれ […]
コロのGM早分かり

有機栽培にも役に立っていた害虫抵抗性GM作物の導入遺伝子

はじめまして、コロと申します。遺伝子組換え(GM)技術や、それを応用して育種された作物は、食糧増産、土壌劣化や水不足、地球温暖化などの環境変化への解決策の1つとして、大いに期待されています。しかし、科学的な説明が十分にされていないため、とても分かりにくく、議論も滞りがちです。私たちの地球の将来のためにも、ここでしっかり議論を進めなければ…。そこで今日から、相棒のルルとともに、遺伝子組換えで何が議論 […]
ある農家の鶏卵。人を楽しませる経験の作り方はさまざまだ
食の損得感情

「これがあってよかった」体験の提供でうまくいくリスコミ

最近の味の素のテレビCMに好感を抱く。「小栗流直球たまごかけご飯」篇と名前が付いている。俳優の小栗旬が、ジャーから丼によそった熱々のご飯にくぼみを作って生卵を割って載せ、醤油をかけ、そこに味の素を振って、かきまぜながらかき込む。それだけのシーンで、特段の説明はない。食べているシーンが終わった後に、「さとうきびを醗酵させて」というメッセージも流れるが、このカットはおとなしい。最も伝えようとしているの […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

バイテク作物の商業化――アジアが躍進/Commercialization of Biotech Crops: Asia Moves Forward

バイテク作物の生産は、1996年に初めて商業栽培されてから年々増加している。現在、栽培面積は1億ヘクタールを超え、世界23カ国で栽培されている。Clive James氏率いる国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の最新レポートはそう記している。しかし、その中に、私が第2の故郷と定めた日本は含まれていない。  The commercial production of biotech crops has […]
朱印船(模型。国立歴史民俗博物館)。かつて明に渡航を拒否された日本の貿易商は、他のアジア諸国に向かった
食の損得感情

「中国依存」「自給率アップ」はどちらも腐敗の温床

中国製冷凍ギョーザの中毒事件以来、食品の製造や流通に携わる人と話していて、気がかりなことが1つある。彼らの多くが、「今の日本の食は、中国産の農産物や食品なしには成り立たない」という趣旨のことを言う。その主張のニュアンスとして「今の」の部分はごく軽く、むしろ「これからも」という気持ちが強いように感じられる。そして、「だから、そのことを消費者や報道機関に理解してもらう必要がある」とも言う。ビジネスパー […]
うねやま研究室

米国で安全性が確認されたクローン動物、日本での受容はどうなる?

2008年1月15日、米国食品医薬品局(FDA)がクローン動物由来食品の安全性について最終リスク評価報告書を発表しました。06年12月に案として発表し、パブリックコメントを募集してまとめたものです。クローン技術を用いて作成したウシ・ブタ・ヤギ、あるいは伝統的に食用とされている動物のクローンの子孫は、普通の家畜同様、食用として安全であるというものです。
日本航空の別な機材。忘れ物に注意
食の損得感情

トイレに食事をしまったJAL機。食品衛生だけの問題ではない

2008年2月6日、日本航空の釜山発成田行きの旅客機が、軽食を積んだギャレーカート1台をトイレに収納して離陸していたことが分かった。釜山で空のカートを降ろし忘れ、所定の位置に収納できないカート1台があるのを、客室乗務員が離陸寸前に発見。咄嗟の判断でそれをトイレに押し込んで離陸した。上空ではカートの中身の軽食を通常通りサーブし、成田に着陸するときは再びそのカートをトイレにしまったという。
大規模なジャガイモ圃場(宮城県)
交叉する外食と農業の未来

米国と比べて分かる、日本のジャガイモ生産事情

関東ではそろそろジャガイモを植え付ける時期です。国連は2008年を「国際ポテト年」(International Year of Potato, 2008)と宣言しています。食料の不安をなくし、貧困を根絶する狙いで、さまざまな機関がジャガイモに関する催しを行うことを予定しています。飲食店にとっても、ジャガイモ料理をアピールするよいチャンスかも知れません。
子供が包んだギョーザ。やれやれ、可愛さも味のうちか……
食の損得感情

ギョーザの内食化が進むのは外食の黄色信号

同業者のことをあげつらうのはあまりやりたくないことだが、新聞、テレビ、週刊誌のむき出しのセンセーショナリズムには、いよいよぞっとさせられる。中国製冷凍ギョーザの中毒事件に関して、最初は「中国産」「農薬」「毒」が見出しに躍っていたかと思えば、この1週間は「テロ」の2文字を入れるのが流行になっている。現在の段階では、分別に欠ける、危険な言葉の使い方と感じる。
うねやま研究室

中国ギョーザ事件報道を巡る科学的な不正確

中国産冷凍ギョーザ事件は、当初残留農薬の疑いも掛けられましたが、どうやらそうではなくて、犯罪性の色合いが強まってきました。全容解明までもうあと少しというところでしょうか。とはいえ、一連の報道において、特に薬剤に関する説明では、いくつか誤解を招くようなものもあり、見逃しておけません。今回は、メタミドホスやジクロルボスについて、作用機所や毒性などをまとめてみます。
国産の焼きギョーザ(記事とは直接関係ありません)
食の損得感情

中国産ギョーザで傷ついたのは誰?

中国産ギョーザによる健康被害の問題は、中国産商品が今後、日本の消費者と企業からどのように扱われるかを決する、重要な分岐点となるだろう。これまでに、中国産の農産物や食品でも、「日本向けに作られている商品は安心できる」とする論調があったが、これに冷や水が浴びせられた格好だ。私自身、それに概ね賛成していたので、考えさせられることが多い。もちろん、今でも中国産がすべてだめというつもりはさらさらないが、消費 […]
ラッカセイの乾燥
食の損得感情

天日乾燥で5倍の値を付ける「天空米」

子供に飽きるほどの雪を見せてやろうと考えついて、15年ぶりにスキーに行った。越後湯沢からタクシーで目的地へ向かう途中、石打丸山スキー場が見えて、「天空米」という商品があることを思い出した。リフトを運営する日本リフトサービス(新潟県魚沼市、鈴木一彦社長)の100%子会社JLC(同)が販売しているもので、スキー場のリフトに、根もとから刈ったイネをハサガケ(ハセガケ)のようにつるして天日乾燥したコメだ。