California州OaklandでのFDA食品バイテクノロジー市民集会。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

国民の健康保護、世論、そして人的資源の有効利用/Public Health Protection, Public Opinion & Effective Use of Resources

最近、米国で商業販売されている一部のトマトを食べてサルモネラ菌に感染するという食品由来の疾病のニュースがあった。このケースは、健康を司る省庁が十分な人的資源を有し、かつ予期せぬ出来事に備えているということがいかに大切かということを浮き彫りにした。ところが、通常は、そういった組織の人的資源というのは限られている。結果として、国民の健康を効率的に守るために優先順位をつけることが必要となる。時折、国民の […]
うねやま研究室

食品由来のリスクを定量評価する

食品のリスクというと真っ先に思い浮かぶのは食中毒でしょう。一般の消費者には残留農薬や加工食品の添加物が危険だと思っている人が多いかもしれません。今回はそうした食品由来リスクを定量化して評価しようという試みについて紹介してみようと思います。
コロのGM早分かり

抵抗性害虫の発生を防ぐ「緩衝区」のメカニズム

こんにちは、コロです。前回は、Btたんぱく質が効かなくなる抵抗性害虫の出現というリスクを回避のために、緩衝区という、ただ単にBtたんぱく質を持っていない作物を植えるだけの、簡単で有効な手段を持っていることをお話しました。今回は、どうして緩衝区から出てきたたくさんの害虫によって、抵抗性害虫の発達が防げるのかを「生物学的」に説明しますね……とは言っても、できる限り易しくお話しましょう。
食の損得感情

すかいらーくの何がいけないと私は考えたのか

前回、5月22日の記事に対して、問い合わせ、ご意見やお叱りをいくつかいただいているので、それについて説明したい。その前に、表現について2つの反省点があるので、それからお伝えしたい。この記事中、「できもしないことを言い出して人気取りに走る、無責任で恥ずべき行動だった」をはじめ、すかいらーくを批難する内容を書いたのだが、表現が断定的であったために、私の主観ではなく客観と受け取られたとすれば、これは本意 […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

米国のバイテク食品安全性評価――FDAは義務化せず/Assessing Biotech Food Safety in the U.S; FDA’s Voluntary Approach

1990年代初頭、日米双方の政府は現代バイオテクノロジーによって開発された食品の安全性を評価するための政策や指針を作成した。日本においては、厚生省(当時)が1991年にOECDの指針を基にバイテク作物の安全性審査のための任意の指針を作成した。しかしながら、2001年にその安全性審査は日本において義務化されることになる。米国では、バイテク食品は今でも1992年に米国食品医薬品局(FDA)が作成した任 […]
プラウ
交叉する外食と農業の未来

耕し方のいろいろ

水田の耕し方はさまざま。田植えについて農家に話を聞くならば、植える苗のことだけでなく、もちろん水田そのものについても尋ねてみたいものです。
技術士からの提言(Y)

街へ出よ!科学者・技術者諸君!!

子供たちの理科離れが進んでいるといわれて久しい。大人も同様で、科学技術の恩恵を享受しながら、反科学的なものに引かれる人が多い。占いやスピリチュアルなどがはびこり、マイナスイオンなど科学を装うニセ科学も蔓延する。それらのことも取り上げて、科学を正しく理解することの是非を説いた松永和紀氏の「メディア・バイアスあやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)に、このほど「科学ジャーナリスト賞2008」が授与さ […]
携帯電話。うちの子から携帯電話を取り上げようとする邪悪な企ては、必ずや粉砕されるであろう……
食の損得感情

教育再生懇談会の“携帯禁止”を食産業は笑えるか

全くばかげている。かりそめにも内閣総理大臣が開催する教育再生懇談会が、今月末にまとめる報告書に「小中学生に携帯電話を持たせるべきではない」という内容を盛り込むのだという。何かの問題が起こっていて、それとなんらかの物や事柄が関わっていると推測されたとき、他の物や事柄との関係をよく調べもせずに、他の方法も考えもせずに、とにかくなくしてしまえばいいという考え方は甚だしく合理性に欠け、極めて無責任であり、 […]
うねやま研究室

「環境ホルモン」問題はどうなった?BPAの評価を巡る世界の動向その1

日本では今のところあまり話題になっていませんが、カナダが哺乳瓶へのポリカーボネートの使用禁止を提案し、米国とカナダで報道が過熱しているビスフェノールAの安全性評価について、これまでの経緯をまとめてみようと思います。「その1」としたのは、米国とカナダでは現在パブリックコメント募集中でまだ結論が出ていないことと、これまでの経緯を紹介するだけで相当な分量になってしまうためです。
コロのGM早分かり

Btたんぱく質が効かなくなる害虫抵抗性の出現とは?

こんにちは、コロです。前回は、現在商業化されている遺伝子組換え作物に導入されている性質のひとつである害虫抵抗性のメカニズムについて解説し、害虫には殺虫効果があるBtたんぱく質が、人などの動物の健康にはまったく影響がないことをお話ししましたね。わかりやすかったでしょうか?そろそろ暖かくなって、害虫も目を覚ます季節になってきました。そこで今回は、「遺伝子組換え技術」のリスクではありませんが、Btたんぱ […]
パセリとハツカダイコン(子供の学校の菜園産。記事とは直接関係ありません)
食の損得感情

「使い回し」は外食の常識ではないと信ずる

連休中、妻の父に温泉につかってもらおうということで、義父、妻、子供と私で車で出かけた。温泉と言っても首都圏の健康ランドのようなもので、朝食は付かない。それで翌朝、帰途にあったファミリーレストランで食事をした。我々の席を担当した店員は、妻の「これにはドリンクバーは付くの?」という質問を「後で説明します」と遮った。振り向けば、別の店員が、店内をバスケットの試合のように重心を落として敏捷に走り回っている […]
Maryanskiのバイテクと食品安全考

バイテク食品、変わる受容/Evolving Acceptance of Biotech Foods

韓国のでんぷんメーカー数社は近頃、非バイテク・トウモロコシの価格高騰を受けて初めてバイテク・トウモロコシの購入を決定した。韓国においてバイテク・トウモロコシがコーンシロップやブドウ糖といった食品の原料として使われるのはこれが初めてである。現在、韓国、そして日本でもまた、バイテク・トウモロコシは主に家畜の飼料として使われている。日本でのバイテク作物の食用としての利用は、醤油やナタネ油といった加工度の […]
北海道よもやま話

GMの里、北海道遺伝子の香りのする街からのつぶやき

北海道には、倒幕政府主導の開拓の後に明治時代に米国人がやってきて、日本で唯一彼らからパイオニア精神を引き継いだ農業生産者がいると言われている。でもいったい今、北海道のどこにいるのだろうか? いるとすれば、何人くらいいるのか? 私に言わせればこれは大嘘もはなはだしい。こんな大嘘を今でも小学校で教えているとすれば、あきれるばかりだ。1985年(昭和60年)頃から「バイオ!バイオ!」とメディアが騒ぎ立て […]