食の損得感情

冷凍に対するイメージは経験によって変わる

少し前のことだが、札幌のすし店でのこと。スミイカの握りが出て、「うまいですね」とほめた。肉厚で透明感があってつやつやしている。鮮度が良さそうに見え、歯ごたえもありながら、軟らかく噛み切れる。「不思議ですね」と振ると、職人さん、一瞬黙って「これを言ったら、あなたなんて言います?」という表情でこちらをうかがう。
北海道よもやま話

半分の濃度で2回散布すると減農薬栽培にならない不思議

米国ノースダコタ州の農家Bobと農薬の話になった。私が「ところでどのくらい農薬を使用しているんだ?」と聞くと、「日本人は農薬の使用にウルサイからな?」と言いながら説明してくれた。春コムギの場合、除草剤が2回、殺菌剤が1.5回(1回と2回の場合がある)、殺虫剤が0.5回(使用する場合と1回使用する場合がある)だそうだ。殺虫剤を除いて農薬の名前を聞けば、馴染みのある物ばかりであった。正直言って、殺菌剤 […]
Harvey WileyとUSDA化学課職員たち。
Maryanskiのバイテクと食品安全考

中国のメラミン汚染ミルク/Melamine Tainted Milk in China

薄めたミルクのたんぱく質の栄養価を見掛け上高めるために工業用化学物質のメラミンが使われた最近の中国における公衆衛生上の危機は、1900年代初頭に米国食品医薬品局(FDA)が設立されることとなった事件を彷彿させる。Wiley博士のあの有名な「毒物捜査班」を想起させるのだ。 Melamine Tainted Milk in China: A Case of Food Adulteration, a L […]
技術士からの提言(Y)

リスコミの切り札「食品安全カウンセラー」制度の創設を

2004年から続いてきたFoodScienceの「松永和紀のアグリ話」が9月24日の記事を持って終了となった。「お疲れさまでした。永い間ご指導いただきありがとうございました」とご苦労を労うと共にお礼を申し上げたい。また、一連の松永さんの連載を読んで密かに温めていた、食のリスクコミュニケーション(リスコミ)の切り札としての「食品安全カウンセラー」制度の創設を、この機会に披露したい。
事が大きくなればなるほど、仕事も生活もいかに彼の国に依存しているかが分かる(記事とは直接関係ありません)
食の損得感情

冷凍インゲンのジクロルボス汚染。何を求め、何をするべきか

東京都八王子市のスーパーで販売された冷凍インゲンが、有機リン系殺虫剤ジクロルボスで汚染されていた。包装に開封した切り口以外に穴はないというから、事実なら開封後に汚染したか、シール前に汚染したかのどちらかだ。一方、開封した途端に石油系の臭いがしたというから、証言が正しければ、シール前の汚染ということになる。また、その臭いから、散布するために有機溶剤に溶かした状態のもの、つまり農薬として流通しているも […]
うねやま研究室

中国ミルク汚染事件のメラミンとはどんなもの?

中国におけるメラミン汚染ミルク事件が世界中に波紋を広げています。現時点では事件の全容は不明ですが、とりあえずこれまでわかっていることをまとめてみようと思います。今回の事件の前に、2007年の米国でのペットフード事件についておさらいしてみましょう。この事件は中国産の「コムギグルテン」が、実は小麦粉にメラミンやメラミン類似体を混ぜただけの粗悪品だったことから、それを原料にして作ったペットフードを食べた […]