EMを使ったモミガラ堆肥の製造を実演する高松求氏
食の損得感情

「オカルト」を乗り越えて見聞せよと叱責されたものの

やや旧聞に属するが、「光合堀菌」なるものが世間を騒がせている。ある食品を摂取すると、体内に存在しなかった菌が合成されるなどという説明で、どうも菌の存在自体が疑わしい。これは際立った例の一つだが、微生物に関する商品はオカルトや新興宗教と結び付きやすく、詐欺や詐欺まがい商法に利用されることも少なくない。
化学肥料を使用しない水田〈右〉と、慣行栽培の水田〈茨城県で〉。右の水田の農家曰く「うちの目標はローならぬノー・コスト経営」
食の損得感情

有機は信条、制度、マーケであり、栽培技術ではない

前回の記事に対して、何人かの読者から「この筆者は有機農法派であるか?」といった問い合わせが寄せられた。これについては、連載の回を重ねるに従って徐々に明らかになるようにと考えていたが、疑問や誤解を生むのは本意ではない。ここで私の基本的なスタンスを明らかにしておこうと思う。